資金調達データ
- 関連ワードインフラ, ランズビュー, 中性子, 資金調達, 非破壊検査
- 配信日2024年10月31日 11時16分
資金調達の概要
株式会社ランズビューが、PE&HR株式会社が運用する埼玉りそな創業応援投資事業有限責任組合を引受先とする第三者割当増資を通じて、シリーズAラウンドでの資金調達を完了しました。これにより、同社は中性子によるインフラ非破壊検査技術のさらなる展開を加速することが可能になります。特に、ランズビューは理化学研究所が開発した中性子非破壊塩分計「RANS-μ」を基に、主に橋梁における劣化要因である塩害に対処するための非破壊検査サービスを提供しており、この資金調達はその事業の拡大を支えるものです。
この資金調達により、ランズビューは新たな技術開発や市場のシフトを進め、特定の橋梁に対する「全塩化物イオン濃度をデータとして記録すること」とする国の橋梁定期点検要領の改訂に対応する体制を整えることが期待されています。加えて、国際展開を視野に入れた開発やマーケティング活動にも資金が充てられる可能性があります。
資金調達の背景(推測)
近年、老朽化したインフラの維持管理が喫緊の課題となっている中で、特に日本においては約72万の橋梁が存在し、その中の約4割が供用期間を超えて50年以上が経過しています。これに伴い、コンクリート構造物の塩害による劣化リスクが高まっており、その監視と保全は重要課題となっています。従来の検査方法は、はしごなどでの物理的な損傷を伴う手法であり、全体における維持管理コストの増加や、検査の実施頻度の低下を引き起こす要因となっていました。
このような背景を受けて、ランズビューは非破壊での塩分濃度測定が可能な技術を確立しました。理化学研究所との連携により、高度な科学技術を持ちながらも市場ニーズに応えるべく、迅速に証明された技術を商業化することが求められました。この資金調達は、そのタイミングとも一致しており、他の候補者と比較しても先行しているという状況です。
さらに、政府が橋梁定期点検要領を改訂し、塩化物イオン濃度の記録を義務付けたことは、ランズビューにとってのビジネスチャンスを拡大する余地があることを示しています。こうした需要の増加は、資金調達の決定的な要因となったと考えられます。
資金調達が成功した理由(推測)
資金調達が成功した背景には、いくつかの要因が考えられます。まず一つ目は、技術の独自性です。ランズビューの中性子を用いた非破壊検査技術は、従来の方法に比べて圧倒的な利便性と精度を提供することが可能であり、これが投資家にとって非常に魅力的な要素となりました。高い社会的意義があり、実用的な価値を有する技術であることが、投資決定を後押ししたと推測されます。
次に、きわめて具体的な市場ニーズの存在が挙げられます。日本国内ではインフラの老朽化が進行し、維持管理のための新たなアプローチが求められています。このような状況で、ランズビューが提供している非破壊検査手法は、急務的なニーズに応えるものであり、新しい市場を開拓するポテンシャルを持っているとされています。そうした市場の拡大が、投資家からの期待感を生んだと考えられます。
また、国や自治体を含む官民一体のインフラ整備・保全の推進政策も成功要因の一つです。政府の方針に沿ったビジネスモデルは、投資を受けやすくする要因一つとなっているでしょう。資金調達の際には政府バックアップが信頼性を増し、投資決定を容易にしたと考えられます。
最後に、スピーディな決断と実行があったことも影響したと推測されます。ビジネスのチャンスが迫る中で、必要な措置を速やかに講じることができたことは、資金調達の成功に寄与しています。
資金調達の参考にすべきポイント
法人経営者や財務担当者がランズビューの事例から学べるポイントはいくつかあります。まず第一に、「技術の独自性と市場ニーズの理解」です。技術やサービスに対する高い独自性は、投資家に対する大きなアピールポイントとなります。また、ターゲット市場のニーズを正確に把握し、それに即したプロダクトやサービスの提供は、資金調達の成功に寄与する重要な要素です。
次に、「政府の政策との連携」です。特にインフラ関連ビジネスにおいては、政府の施策と密接に連動している場合が多いため、関連する規制や政策を理解し、ビジネスモデルに落とし込むことが求められます。このようなアプローチは、安定した収益源と投資家からの信頼を得る助けとなります。
また、「迅速な意思決定と実行も欠かせません」。市場が急速に変化する中で、反応の速さが競争優位につながります。特に、新興企業においては、迅速な意思決定が市場における機会を捉えるカギとなります。この機敏さは、資金調達のプロセスにおいても重要な要素です。
最後に、「フィードバックの重要性」を忘れないことです。さまざまなステークホルダーからのフィードバックを受け入れ、改善に役立てる姿勢は、企業の成長につながります。これは、投資家からの信頼を築く上でも重要であり、将来的な資金調達の際に大きな影響を与えるでしょう。
まとめると、ランズビューの資金調達の成功事例は、技術と市場のニーズの理解、政府との連携、迅速な意思決定、そしてフィードバックに基づく改善が、法人経営者と財務担当者にとって重要なポイントであることを示しています。これらの要素をうまく組み合わせることで、次のステップへの資金調達を見据えることができます。
ランズビュー、シリーズAラウンドでの資金調達を完了、中性子によるインフラ非破壊検査の展開を一気に加速!株式会社ランズビュー(本社:埼玉県和光市、代表取締役:髙村正人)は、PE&HR株式会社が運用する埼玉りそな創業応援投資事業有限責任組合を引受先とする第三者割当増資により、資金調達を実施致しました。株式会社ランズビュー2024年10月31日 11時16分4
理化学研究所で開発された中性子非破壊塩分計 RANS-μ に よる橋梁塩害調査の様子◆当社の概要
(株)ランズビューは、理化学研究所(以下、理研)の小型中性子源システム技術の社会実装を担う理研発スタートアップです。中性子によるインフラ非破壊検査技術の標準化を目的とする「ニュートロン次世代システム技術研究組合(国土交通大臣認可、以下、T-RANS)」を母体とし、理研研究者、T-RANS所属企業等により設立されました。現時点において、世界で唯一の、コンクリート中の塩分濃度の完全非破壊計測サービスを提供しています。2024年1月には「第7回インフラメンテナンス大賞(国土交通大臣賞)」(※受賞主体は理研とオリエンタル白石(株))、同月中に「中小企業イノベーション創出推進事業(SBIR制度)」に採択(5年・約4.2億円)、9月には週刊東洋経済「すごいベンチャー100」に選出されました。
◆マーケットについて
日本には世界的に見ても非常に多くの橋梁(約72万橋)がありますが、その内、約4割の橋梁が供用から50年が経過し[1]、老朽化が進んでいます。橋梁の三大劣化要因のひとつに「塩害」があり、海風が飛来する沿岸部や融雪剤を散布する山間部の橋梁では塩害が見られます。塩害を検査するための主要な従来方法
出典 PR TIMES