【STARTUP DB】調査結果 スタートアップ資金調達金額ランキング（2024年年間＆12月）

資金調達の概要

2024年度のスタートアップ資金調達金額ランキングにおいて、映えある1位はSakana AIであり、383.4億円を調達しました。この企業は、生成AI領域に特化し、自然界の仕組みを模倣した新たなAI基盤モデルの研究開発を行っています。2位は五常・アンド・カンパニーで334.3億円の調達を実施し、途上国向けマイクロファイナンスを展開する事業活動を強化しています。また、3位にはエナジーグリッドが314.8億円を調達し、電力の小売りなどを手掛けており、4位はハイレゾ香川が230.9億円を調達し、AI開発用のデータセンターの設立を目指しています。

2024年12月のランキングでは、Preferred Networksが120億円、NOT A HOTELが105億円の調達を行い、それぞれクラウドサービス運営と新たなビジネスモデルの展開を進めています。これらのスタートアップは、幅広い業種にわたりイノベーションを起こし、資金調達を通じて将来の成長を模索しています。

資金調達の背景（推測）

成長産業支援の流れが続く中で、特にAI関連ビジネスが急増していることが背景にあります。Sakana AIの活動が示唆するように、AI技術の需要の高まりがスタートアップ企業にとっての資金調達を促進させています。また、五常・アンド・カンパニーのマイクロファイナンス事業も、世界的な金融包摂の潮流の一環として、社会的なニーズに応える形で成長しています。

さらに、エナジーグリッドの電力取引ビジネスは、脱炭素化を目指す日本のエネルギー政策や新興市場の変革の中で重要性を増しており、これに伴い資金調達の必要性も高位にあります。ハイレゾ香川のデータセンターの開発に対する投資は、地域経済の活性化やAIインフラの整備が求められる背景からも影響を受けています。このように、各スタートアップが自社の事業戦略に応じた資金調達を行った結果、投資家の関心を集めたことが伺える。

資金調達が成功した理由（推測）

資金調達が成功した理由はいくつか考えられます。Sakana AIの場合、新しい技術分野への挑戦が、潜在的な資金提供者にとっての大きな魅力となっています。自然界の仕組みを模倣したAI基盤モデルは革新的であり、コスト効率と性能向上の両立を図っている点が注目されているのです。

五常・アンド・カンパニーは、途上国における金融サービスの不足を補填する形で成長しており、その社会的意義が潜在的な投資者の共感を得ています。特に、女性融資比率が高い点や、持続可能な成長戦略が評価され、資金調達を成功させています。

エナジーグリッドは、電力取引市場の変革に伴い、安定供給を図る先駆的なビジネスモデルが投資家に支持されています。また、ハイレゾ香川は、地方におけるデータセンター設置という新たな試みを通じて、地域経済の活性化に寄与する姿勢が高度に評価されています。全体として、これらのスタートアップは、革新性、社会貢献、地域活性化といった要素を携えており、そのため投資家からの信頼を勝ち取ったのではないでしょうか。

資金調達の参考にすべきポイント

スタートアップが資金調達を成功させるためのポイントは以下の通りです。

まず、一貫したビジョンとミッションを持つことが重要です。投資家は、企業の成長戦略や社会的意義を理解した上で投資を決定します。Sakana AIや五常・アンド・カンパニーは、そのビジョンが明確であるため、投資家の支持を得ることができました。

次に、革新性の追求です。Sakana AIが自然界の仕組みを基にしたAI技術を開発しているように、既存の枠組みにとらわれない新たな解決策を提供することが不可欠です。また、新しい市場ニーズを捉える能力は、資金調達の成功に直結します。

さらに、社会的課題に対する解決志向も重要な要素です。五常・アンド・カンパニーのマイクロファイナンス事業は、その社会的意義が明確で投資家の関心を引いています。企業が提供するソリューションがどのように社会に貢献するかをゴールとして設定することが、資金調達への道筋となるでしょう。

最後に、地域経済やコミュニティとの連携も評価されつつあります。ハイレゾ香川のように地方に根ざし、地域の発展に寄与する姿勢を持ったスタートアップは、地域経済の発展に貢献しながら、資金調達の機会を広げることができるのです。

以上のポイントを踏まえ、企業は資金調達戦略をさらなる発展に活用し、成功を収めることが期待されます。

【STARTUP DB】調査結果 スタートアップ資金調達金額ランキング（2024年年間＆12月）フォースタートアップス2025年1月10日 07時50分1
成長産業支援事業を推進するフォースタートアップス株式会社（本社：東京都港区、代表取締役社長：志水雄一郎 以下、フォースタートアップス）は、継続的にスタートアップ動向に関する調査を行い、当社サービスである「STARTUP DB（スタートアップデータベース）」に調査結果を公開しています。今回は、「スタートアップ資金調達金額」の2024年年間と2024年12月のランキングを発表いたします。

2024年 年間の資金調達金額ランキング
※資金調達額の合計をランキング形式で並べました。原則的に登記簿から取得した調達日を優先しており、次点でプレスリリースなどの公式発表も集計しています。

1位は生成AI領域における基盤モデルの研究開発をするSakana AIで、年間合計で383.4億円を調達しました。

同社は、2023年7月に設立された新進気鋭のAI研究開発企業で、自然界の仕組みを参考にした新しいAI基盤モデルの開発に注力しています。小規模な生成AIモデルを効率的に組み合わせ、高性能かつ省エネルギーなAIを実現する技術を持つ点が強みで、巨大なコンピューターと大量のデータを用いる従来のAI開発手法とは一線を画し、特にコストや電力消費を抑えながら高い性能を発揮する技術が注目されています。また、同社の名前「サカナ（魚）」には、自然の進化や集団知能といったコンセプトが込められており、従来の手法にとらわれず新たなパラダイムを追求していく姿勢を表されています。

2024年9月にNVIDIAとの協業を通して、同社は日本国内におけるAI研究開発の拠点を強化し、NVIDIAの最先端GPU技術を活用した省エネ型のAI開発を進めていくそうです。今後も