Neusignal Therapeutics、シリーズAで総額22.5億円を調達

資金調達の概要

Neusignal Therapeutics（NTX）は、シリーズAラウンドで総額22.5億円の資金調達を実施しました。これは、11.5億円の第三者割当増資と、AMEDによる11億円の補助金を含む金額です。この資金調達の目的は、ヒト臨床試験や企業治験の実施、米国における展開に向けた準備や人材採用など、多岐にわたります。今回の投資家には、新規投資家としてFFGベンチャービジネスパートナーズや日本ベンチャーキャピタルが名を連ね、既存投資家にはファストトラックイニシアティブ、慶應イノベーション・イニシアティブなどが含まれています。

この資金調達により、NTXは今後の治療薬の開発を加速するための資金基盤を確保しています。特に、アルツハイマー型認知症という大きな未充足医療ニーズを抱える領域での新たな治療薬開発を目指すスタートアップとして、十分な資金力を持って臨床試験を進める準備が整いました。

資金調達の背景（推測）

NTXが資金調達を行った背景には、アルツハイマー型認知症の急増が影響しています。世界中で多くの人々がこの病気に苦しんでおり、その治療法が求められています。近年新しい治療薬も市場に登場しているものの、治療のマネジメントの難しさや高額な医療費が多くの課題として残されています。このような医療の現状を踏まえ、NTXが開発している低分子医薬品は、既存の治療法とは異なる新しい作用メカニズムを持ち、患者に新たな選択肢を提供できる可能性があります。

また、NEUSIGNAL THERAPEUTICSは、東北大学発のスタートアップとしての信頼性も持っています。大学のリソースや研究成果を活かし、医薬品開発のプロセスに独自性を持たせていることから、投資家はその成長性を期待して資金を提供する動機があったと考えられます。また、AMEDからの補助金も、新規創薬に対する国の支援が背景にあることを示しています。

資金調達が成功した理由（推測）

資金調達が成功した理由として、まずNTXの開発する低分子化合物の革新性が挙げられます。アルツハイマー型認知症において、現状の治療法の多くは症状の進行を抑えることが中心となっていますが、NTXの候補化合物は新しい作用機序を持ち、病気そのものに作用することが期待されているため、非常に高い評価を受けています。

次に、NTXは複数の有力な投資家からの支援を受けています。ファストトラックイニシアティブや慶應イノベーション・イニシアティブなど、経験豊富なベンチャーキャピタルが関与している点も、他の投資家にとって安心材料となったでしょう。これにより、各投資家はNTXに対する信頼を深め、資金提供を決定したと考えられます。

さらに、AMEDからの補助金が別途確保された点も、資金調達の成功に寄与しました。官民連携による資金調達は、特に創薬分野においてその信頼度を高める要因となります。また、成功した場合の社会的貢献や市場での期待感もあり、リスクが十分に評価され、資金提供が行われたと考えられます。

資金調達の参考にすべきポイント

今回の資金調達事例から、他の法人経営者や財務担当者が参考にすべきポイントはいくつかあります。

まずは、ビジネスモデルの明確化です。NTXの開発している治療薬は、特定の未充足医療ニーズに応えるものであり、これが投資家にとっての高い関心を引く要因となっています。自社の製品やサービスがどのように市場のニーズを満たすのかを明確に示すことが、資金調達では重要です。

次に、多様な投資家をターゲットにすることです。NTXは新規と既存の両方の投資家から資金を調達しています。このように、多様なファイナンスオプションを持つことで、資金調達の可能性を広げることができます。

また、国の支援プログラムや補助金を活用することも重要です。AMEDからの補助金のように、政府の支援制度を利用することで、資金調達の負担を軽減し、プロジェクトの信頼性を高めることができます。

最後に、信頼性の高いパートナーとの連携も重要です。多くの名の知れた投資家が関与していることで、他の投資家に対しても自社の信頼性を生むことができるという点です。これは特に新興企業においては、資金調達の際に大きなアドバンテージとなります。

これらのポイントを参考に、自社の資金調達戦略を再考し、実行に移すことで、より良い資金調達の結果を得る可能性を高めることができるでしょう。

Neusignal Therapeutics、シリーズAで総額22.5億円を調達ー臨床試験を開始、米国展開を見据えた開発体制強化へーNeusignal Therapeutics株式会社2025年1月31日 13時00分4報道関係各位
2025年1月31日
Neusignal Therapeutics株式会社

東北大学発のアルツハイマー型認知症治療薬を開発するNeusignal Therapeutics株式会社（本社：東京都中央区、代表取締役：吉田 欣史、以下「NTX」）は、以下の投資家を引受先とした第三者割当増資により、11.5億円のシリーズA資金調達を実施いたしました。また、AMEDによる革新的な創薬開発を行うベンチャー企業の成長支援を目的とした令和5年度「創薬ベンチャーエコシステム強化事業」における11億円の補助金も合わせて、本ラウンドの累計資金調達額は総額22.5億円となります。

引受先（順不同）：
新規投資家：
FFGベンチャービジネスパートナーズ、日本ベンチャーキャピタル

既存投資家：
ファストトラックイニシアティブ(FTI)、慶應イノベーション・イニシアティブ(KII)、三菱UFJキャピタル (MUCAP)、みずほキャピタル、SMBCベンチャーキャピタル

■背景
東北大学発シーズの事業化に取り組むスタートアップであるNTXは、世界中で急増し続けるアルツハイマー型認知症に対する画期的な治療薬の開発を通して病気に苦しむ患者様及びご家族の皆さまの生活改善に貢献すべく、医薬品候補化合物の開発に取り組んでいます。
近年、アルツハイマー型認知症の進行抑制が見込める新規医薬品の登場もあり、期待が高まる一方、治療のマネジメントの難しさ、高額な医療費、リスクリターンに基づく対象患者の妥当性など、多くの議論がなされています。当社の開発品がこれらの課題を解決する画期的な治療薬