【STARTUP DB】調査結果 スタートアップ資金調達金額ランキング（2025年1月）

資金調達の概要

2025年1月に発表されたスタートアップ資金調達金額ランキングでは、商売のDX化を支援するプラットフォーム運営のSTORESが28億円を調達し1位となりました。続いて、営業データプラットフォームのインフォボックスが16億5,000万円、放射性医薬品の開発を行うリンクメッドが15億円を調達し、それぞれ2位と3位にランクインしました。各社は、デジタル化推進や営業データの品質向上、がん治療の新たな選択肢を提供する様々な事業モデルを背景に、それぞれの資金調達によって事業成長を加速しようとしています。

資金調達の背景（推測）

近年、特にデジタルトランスフォーメーション（DX）が急速に進展している中で、企業のデジタル化や効率化が求められています。この流れは、STORESのようなプラットフォームが顧客のニーズに応える機会を大きく提供しています。また、BtoB市場において効果的な営業支援が求められる一方で、販売データを用いた新しいビジネスモデルを模索する企業も増えているため、インフォボックスのような営業データプラットフォームへの需要も高まっています。

リンクメッドのようなバイオテクノロジー企業は、特にがん治療における新しいアプローチが注目を集めており、医療分野への投資が今後ますます期待される環境が整いつつあります。さらに、政府のスタートアップ支援政策や投資マインドの高まりも相まって、資金調達が行いやすい状況にあると考えられます。

資金調達が成功した理由（推測）

各社の資金調達が成功した理由は、それぞれのビジネスモデルが具現化している市場の需要に適合している点にあります。例えば、STORESは「Just for Fun」というコンセプトのもと、誰もが簡単に事業を開始できる環境を整え、個人や小規模事業者の支援に注力しています。このため、特にコロナ禍以降のオンラインシフトにより、顧客基盤が拡大し、投資家からの関心も高まったと考えられます。

インフォボックスの場合、BtoB市場に特化した営業データプラットフォームというユニークなサービスが買い手・売り手のニーズを満たすことから、急成長を遂げました。また、ARRが4ヶ月で1億円に達するなどの実績が投資家に信頼感を与え、資金調達の成功に寄与したと思われます。さらに、営業データの質向上や市場拡大を進める計画は、明確な成長戦略として受け取られたのも要因です。

リンクメッドは、がん治療という社会的なニーズが高い領域で新しい治療選択肢を提供することを目的としており、医療分野においてイノベーションをもたらす企業として注目されています。加えて、64Cuの放射性医薬品による具体的な治療効果を示す試験や製造体制の構築が進行中であることから、医療関係者だけでなく投資家の信頼を得る要因となりました。

資金調達の参考にすべきポイント

これらの事例から得られる資金調達の参考ポイントは次の通りです。まず、市場ニーズと合致したビジネスモデルを早期に確立し、明確な成長戦略を持つことが重要です。特に、競争の激しいスタートアップ市場において、他社との差別化を図るためには、常に顧客のニーズを反映した商品やサービスを提供することが求められます。

次に、資金調達の目的や用途を具体的に示すこと。インフォボックスのように、開発投資やマーケティング、人材採用を具体的にプランに盛り込み、実績を共有することで投資家の信頼を得ることが可能になります。

また、資金調達のタイミングも重要です。市場のトレンドや企業の成長ステージに応じた適切なタイミングを見極めることで、支援を得やすくなります。例えば、STORESやリンクメッドは、特定の市場トレンドや技術革新を背景にしているため、資金調達に至るまでの準備が整っていました。

最後に、資金調達後の進捗状況や結果をきちんと報告し続けること。投資家にとって、資金がどのようにウィンウィンの形で活用されているかを示すことで、将来的な再投資の可能性を高めることにつながるでしょう。

これらの要素を踏まえつつ、法人の経営者や財務担当者は、今後の資金調達戦略を策定する際に、ターゲットとする市場やビジネスモデルに対する深い理解を持つことが必要です。市場の変化に柔軟に対応しながら、自社の成長を支えるための資金調達を目指していくことが今後の成功につながるでしょう。

【STARTUP DB】調査結果 スタートアップ資金調達金額ランキング（2025年1月）フォースタートアップス2025年2月18日 07時50分3
成長産業支援事業を推進するフォースタートアップス株式会社（本社：東京都港区、代表取締役社長：志水雄一郎 以下、フォースタートアップス）は、継続的にスタートアップ動向に関する調査を行い、当社サービスである「STARTUP DB（スタートアップデータベース）」に調査結果を公開しています。今回は、2025年1月に発表された「スタートアップ資金調達金額ランキング（2025年1月）」を発表いたします。

2025年1月に発表された資金調達の金額ランキング
※1月の資金調達額の合計をランキング形式で並べました。原則的に登記簿から取得した調達日を優先しており、次点でプレスリリースなどの公式発表も集計しています。

1位は商売のDX化を支援するプラットフォームを運営するSTORESで、28億円を調達しました。この金額は登記簿から推計したものです。

同社はオンラインストア開設サービス「STORES」やキャッシュレス決済サービス「STORESターミナル」を中心に、事業者のデジタル化を支援する「STORES デジタルストアプラットフォーム」を展開しています。2023年には、コイニー社とストアーズ・ドット・ジェーピー社の経営統合を経て、個人や小規模事業者の経済活動を支援するサービスを強化。「Just for Fun」をコンセプトに、誰もが簡単に事業を始め、成長できる環境を提供しています。

2位は営業データプラットフォームを提供するインフォボックスで、シリーズAラウンドにおいて総額16億5,000万円を調達しました。この資金調達により、累計調達額は23億5,000万円に達しました。

同社は、BtoB市場における売り手と買い手のタイミングの不一致を解