西鉄グループ初となる「グリーンローンならびにサステナビリティ・リンク・ローン」を通じて、脱炭素社会の実現に取り組んでまいります

資金調達の概要

西日本鉄道株式会社（以下、西鉄グループ）は、初となる「グリーンローン」および「サステナビリティ・リンク・ローン」を通じて、脱炭素社会の実現を目指す事業に資金を調達することを発表しました。グリーンローンは環境問題解決に寄与するプロジェクトへの資金提供に限定され、具体的には160億円が調達されます。この資金は、福岡市にて建設中の「ONE FUKUOKA BLDG.」という大型複合ビルの建設費用に充てられます。このビルは2025年4月に開業を予定しており、省エネルギー対策や環境負荷低減のための高効率機器が導入される見込みです。また、サステナビリティ・リンク・ローンでは40億円を調達し、企業のSDGsやESG目標に基づいた金利の低減を目指しています。サステナビリティ・リンク・ローンの重要な指標は、西鉄グループ全社の国内事業所におけるCO2排出量の削減であり、2030年度には2013年度対比46%以上の削減を目指しています。

資金調達の背景（推測）

近年、企業に対する環境意識の高まりや、投資家からのESG（環境・社会・ガバナンス）に対する要請が強まっていることが背景にあると考えられます。特に脱炭素社会の実現を目指す動きは、政府の政策や国際的な合意（例：パリ協定）にも影響され、企業はますます持続可能性を重視した戦略を取る必要があります。西鉄グループは、この潮流に応じて、自社の事業が環境に与える影響を軽減するために積極的な取り組みを公表していることが伺えます。また、100年以上の歴史を持つ企業として、地域貢献や社会的責任を果たす一環としての側面も大きいでしょう。特に「ONE FUKUOKA BLDG.」が成長する福岡市という地域において、新たなビジネスや文化創出の拠点となることを目指している点も重要な動機であると考えられます。

資金調達が成功した理由（推測）

西鉄グループの資金調達が成功した理由として、以下の点が挙げられます。まず、グリーンファイナンス市場の急成長が背景にあると見られます。世界的にグリーンボンドやグリーンローンの需要が高まっている中、資金の流入先としての期待が膨らんでおり、金融機関や投資家から注目される存在になっています。また、サステナビリティファイナンス・フレームワークの策定も成功の要因です。透明性の高い資金使用の方針と、それに対する外部評価（セカンドオピニオン）を得ていることで、投資家の信頼を獲得することができました。このような取り組みは、投資家に対して企業が真剣に持続可能性に向き合っていることを示す信号となり、資金提供者の意思決定にプラスに働いたと推測されます。さらに、具体的な数値目標を設定し、進捗を可視化することで、利害関係者とのコミュニケーションも円滑になったと考えられます。

資金調達の参考にすべきポイント

西鉄グループの資金調達から得られる参考ポイントとして、以下の項目が挙げられます。まず、透明性を保つことが重要です。資金の使用目的や管理方法を明確にすることで、投資家からの信頼を得やすくなります。また、外部評価を受けることで、第三者の視点からの確認が得られ、企業の取り組みがどの程度信頼されるものかが示されます。次に、具体的な数値目標の設定を行うことです。目標が具体的であればあるほど、投資家は進捗を評価しやすくなりますし、企業自身も目標に向けてのモチベーションが高まります。さらに、社会や環境に貢献するプロジェクトへの資金投資は、企業のブランド強化や社会的責任の履行につながり、長期的な視点での競争優位性を確立する要因となります。最後に、地域との連携を強化することも重要です。地域のニーズに応えるプロジェクトは、地域社会からの支持を得やすく、企業としての存在意義を高める要因となります。これらのポイントを考慮に入れることで、より効果的な資金調達の戦略を練ることが可能となるでしょう。

西鉄グループ初となる「グリーンローンならびにサステナビリティ・リンク・ローン」を通じて、脱炭素社会の実現に取り組んでまいりますにしてつグループ2025年2月27日 18時30分5 西日本鉄道㈱は、環境・社会双方の課題解決に貢献する事業の資金調達のため、当社グループ初のグリーンローンおよびサステナビリティ・リンク・ローン（以下、「本資金調達」）の契約を締結いたしました。

グリーンローンとは、調達資金の使途が環境問題の解決に貢献する事業(グリーンプロジェクト)に限定される融資で、今回160億円を調達いたします。本資金は、エネルギー消費量削減等の各種認証を取得し、環境負荷低減への貢献が期待される「ONE FUKUOKA BLDG.( 2025年4月24日開業予定)」の建設費用に充当いたします。なお、今回のグリーンローンにおいては当社のサステナビリティファイナンス・フレームワークに基づき実行いたします。

サステナビリティ・リンク・ローンとは、企業が設定したSDGsやESGに関する経営方針と整合した目標の達成度に応じて金利低下等のインセンティブを受けられる融資で、今回40億円を調達いたします。なお、サステナビリティ・リンク・ローンの重要な評価指標については、「西鉄グループ全社の国内事業所におけるCO₂排出量（Scope1・2）」とし、数値目標については、「2030年度に2013年度対比46%以上削減」としました。

当社グループでは、EVバス導入や再生可能エネルギー活用等の施策を進めており、本資金調達を通じて脱炭素社会の実現に取り組んでまいります。

１. グリーンローン

① グリーンローン(相対方式)

② グリーンローン(シンジケーション方式)

③ サステナビリティファイナンス・フレームワークおよび外部評価
当社は2023年10月、「調達