アセンダー・キャピタル、株式会社アルゴグラフィックスの資本配分政策の改善を要請

資金調達データ

  • 関連ワードアセンダー・キャピタル, アルゴグラフィックス, ガバナンス, 株主提案, 自己株式取得
  • 配信日2025年5月23日 12時01分

資金調達ニュースの概要

アセンダー・キャピタルは、株式会社アルゴグラフィックスに対して資本配分政策の改善を求めるプレスリリースを発表しました。アセンダー・キャピタルは香港拠点の投資ファンドであり、日本を含むアジアの優良企業に投資を行っていることが特徴です。現在、アルゴグラフィックスの株式を約2%保有しており、主に企業価値向上を目指した提案を行っています。

提案の主な内容は、公開買付けを通じて取得する自己株式の消却、配当の引き上げ、SCSKから取得した保有株の売却、そして経営陣への再任に対する反対意見の表明です。プレスリリースにおいて、アルゴグラフィックスは堅調な業績を背景に、過去10年間で蓄積されたキャッシュフローの多くが未活用状態にあると指摘されています。これにより、株主利益が十分に反映されていないという懸念が表明されています。

アセンダー・キャピタルは、2025年6月に予定される株主総会に向けて具体的な提案を行い、株主の利益を考慮した資本配分を求めています。また、同社は取締役会や経営陣との対話を通じて、ガバナンス改善を促進する姿勢を示しています。

資金調達ニュースの背景(推測)

アセンダー・キャピタルがアルゴグラフィックスに対して株主提案を行っている背景には、いくつかの要因が考えられます。まず、投資ファンドとしてのアセンダー・キャピタルは、企業価値の最大化を目指す存在です。そのため、堅調な業績を上げているにも関わらず、資本配分に問題があると認識した場合、株主としての権利を行使して改善を促すのは自然な流れと言えるでしょう。

また、プレスリリースに記載されている通り、アルゴグラフィックスの営業キャッシュフローが過去10年間で450億円に達しながら、その多くが未活用となっている事実は、経営陣の資本配分政策における問題を浮き彫りにしています。この状況から、アセンダー・キャピタルはマーケットの需給バランスを踏まえた上で、早急な見直しを促す必要があると判断したと推測されます。

さらに、アルゴグラフィックスのP/E倍率が同業他社に比べて著しく低いこと(システムインテグレーター平均の19倍に対して14倍)も、背景に影響を与えていると考えられます。企業の質が反映されていない市場評価には、ガバナンス構造や資本配分の不適切さがあるため、対話を通じてその改善を図ろうとするアプローチが取られています。

株主としてのアセンダー・キャピタルの提案は、単に利益確保のためだけでなく、長期的な企業成長を促進するためのものであるとの観点からも価値があります。これにより、将来的な収益性や市場での踊る資産価値を高める契機を創出することが期待されるでしょう。

資金調達ニュースから参考にすべきポイント(推察)

今回のプレスリリースから法人経営者や財務担当者が参考にすべきポイントは、いくつか具体的に挙げられます。

まず第一に、資本配分の重要性が挙げられます。アセンダー・キャピタルが指摘するように、企業が手元に保持するキャッシュや資本の運用能力は、株主に対する価値還元に直結します。過剰なキャッシュや資本を保持することが、企業の成長性を妨げ、結果として株主の利益を損なってしまう可能性があるため、適切な資本配分の見直しが必要です。

次に、経営陣と株主とのコミュニケーションの重要性も見逃せません。アセンダー・キャピタルは、取締役会との対話を通じて改善を促進する姿勢を示しています。このプロセスによって、株主の懸念を経営陣が理解し、十分な対話を通じて共通の解決策を見出すことができるため、経営者は積極的に気付きを得る姿勢が求められます。

また、ガバナンス構造の見直しについても重要な示唆が得られます。アセンダー・キャピタルは、経営陣の高齢化や取締役会の構成の適正さについて懸念を示しています。これにより、企業のガバナンスが機能していないと判断される場合には、早急に見直しや再構築を行うべきであるという教訓を得ることができます。特に、取締役会の多様性や外部からの視点が、企業の競争力向上や意思決定に寄与することがあります。

最後に、自己株式の取扱い方針についても注意が必要です。アセンダー・キャピタルが指摘するように、自己株式の消却や保有において透明性を持たせることが株主からの信頼を得るための重要なポイントであり、持続可能な利益配分政策を持つことで、企業イメージや評価を高めることができるでしょう。

これらのポイントを踏まえることで、法人経営者や財務担当者は、資本配分の適正さやガバナンスの重要性を再認識し、将来的な経営の方向性や資金調達戦略を見直すきっかけとなるかもしれません。

アセンダー・キャピタル、株式会社アルゴグラフィックスの資本配分政策の改善を要請(証券コード: 7595)Ascender Capital Ltd. 2025年5月23日 12時01分10

アルゴグラフィックスは優れた安定した事業を展開していますが、依然として著しく過小評価されています

アセンダー・キャピタルは、2025年5月9日に発表された、公開買付けを通じてSCSKから取得する自己株式を消却し、政策保有株式であるSCSKの株式を売却することを求めます

アセンダー・キャピタルは、会長兼CEOの再任に反対します

アセンダー・キャピタルは、2025年6月に開催予定の時株主総会へ向け株主提案を提出しました

日本を含むアジアの優良企業への投資に注力する香港拠点の投資ファンド、アセンダー・キャピタル・リミテッド(以下「アセンダー・キャピタル」、または「当社」といいます。)は、株式会社アルゴグラフィックス(以下「アルゴグラフィックス」または「同社」といいます。)の長期株主であり、現在約2%の株式を保有しています。

アセンダー・キャピタルは、日本のソフトウェア開発、およびシステムインテグレーター分野における長期投資家として、近年資産の大部分を同分野に配分してきました。当社は同分野の公開企業100社以上を積極的にモニタリングしており、2015年以降、そのうち50社以上の経営陣と面談を実施しています。

また、アセンダー・キャピタルは、企業との建設的な対話を通じて長期的な企業価値向上を支援する実績を有しており、日本ステュワードシップ・コードの目的とグローバルなベストプラクティスに従い、2023年12月からアルゴグラフィックスの会長、並びに取締役会と対話を進め、資本配分とコーポレートガバナンスの改善を促してきました。

不適切な資本配分で損なわれる堅調な事業運営
2015年

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出典 PR TIMES

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