【STARTUP DB】調査結果 スタートアップ資金調達金額ランキング（2025年6月）

資金調達の概要

2025年6月のスタートアップ資金調達金額ランキングにおいて、カケハシが140億円を調達し1位となりました。カケハシは医療プラットフォームサービスを提供し、クラウド型電子薬歴「Musubi」を展開しています。次いで、FLUXが37億4,000万円を調達し2位に。FLUXはノーコードAIプラットフォームを提供しており、同社の累計調達額は100億円に達しています。3位はSDPジャパンで、シリーズDラウンドにて24億円を調達。SDPジャパンは手術専門医療機関をサポートするサービスを展開しています。

この資金調達ランキングは、登記簿から得られたデータや公式なプレスリリースをもとに集計されており、事業の成長性や技術革新が背景にあることが窺えます。特に医療分野やAI技術に関連する企業が高額な資金を調達しているのは、時代のニーズと合致したビジネスモデルを展開しているからでしょう。

資金調達の背景（推測）

最近の資金調達における背景として、特に医療やAI関連事業の需要の高まりが挙げられます。カケハシのように、医療プラットフォームを通じて薬局向けサービスを展開する企業は、健康志向の高まりや高齢化社会の進展に伴い、急成長しています。これにより、投資家は市場の成長可能性に期待し、資金を投入する傾向が強くなっています。

また、FLUXのようなAI関連企業は、デジタルトランスフォーメーションが進む中で、業界の多くのニーズに応えることができるため、資金調達がスムーズに進んでいると考えられます。特に、ノーコードやAIを活用することで企業の業務効率化を図れる点が、その魅力を向上させています。

SDPジャパンも手術支援という専門性の高い分野に特化しており、地域医療の格差を減らす需要が高まっている中での資金調達は、今後の展開における有望な市場への投資と見なされているのでしょう。

資金調達が成功した理由（推測）

資金調達が成功した理由として、以下のような要素があります。まず、堅実なビジネスモデルと明確な市場ニーズに応える製品の提供が挙げられます。カケハシは既に日本国内で20％を超える薬局にリーチしており、信頼のある存在として投資家の関心を引きました。患者のニーズを理解し、新しいサービスを提供する姿勢が評価されたのかもしれません。

FLUXについても、複数のプロダクトを展開し、それぞれが異なるニーズに応える形で特化しているため、投資家からの多角的な支持を受けることができました。その結果、シリーズBエクステンションラウンドでの成功に繋がったと推測できます。また、資金調達のラウンドを拡張することで、既存の投資家からの信頼感を維持しつつ、新規投資家を引き寄せた結果とも考えられます。

SDPジャパンに関しては、医療分野における急成長を背景に、地域医療の向上を目指した計画が特に支持を受けたと見られます。高度専門職である医療者の支援に焦点を当てていることも、投資家の関心を集めた一因と言えるでしょう。

資金調達の参考にすべきポイント

法人経営者や財務担当者が資金調達を行う際に参考にすべきポイントはいくつかあります。

まず、明確なビジネスモデルと市場分析を行い、自社の強みをしっかりと打ち出すことが重要です。資金調達を進める際は、自社の状況と市場のトレンドを把握し、どのように成長できるかを具体的に示す必要があります。例えば、カケハシのように市場シェアを具体的な数字で示し、実績を強調することが資金調達の鍵となります。

次に、多様な資金調達手段を検討することも大切です。カケハシが用いたベンチャーデットや融資といった手法は、スタートアップとしても流動性の確保に有効な手段です。自社の状況に応じて最適な資金調達方法を選択し、複数の選択肢を持つことがリスク管理にも繋がります。

さらに、信頼できる投資家を見つけることも必要です。FLUXの事例のように、既存の投資家と信頼関係を築くことで、新たな資金調達ラウンドが成功する確率が高まります。長期的な関係を築くために、コミュニケーションを大切にし、定期的に進捗を報告することで、信頼を得ることができるでしょう。

最後に、資金調達後のビジョンと戦略の明確化も重要なポイントです。SDPジャパンのように、地域医療の問題に取り組む姿勢を示すことで、単なる資金の獲得だけでなく、社会的な意義も強調できると、投資家もその価値を感じやすくなります。

これらのポイントを約束することで、資金調達の成功率を高め、持続可能な成長を実現することが可能になるでしょう。

【STARTUP DB】調査結果 スタートアップ資金調達金額ランキング（2025年6月）フォースタートアップス2025年7月8日 07時50分1
成長産業支援事業を推進するフォースタートアップス株式会社（本社：東京都港区、代表取締役社長：志水 雄一郎 以下、フォースタートアップス）は、継続的にスタートアップ動向に関する調査を行い、当社サービスである「STARTUP DB（スタートアップデータベース）」に調査結果を公開しています。今回は、2025年6月に発表された「スタートアップ資金調達金額ランキング（2025年6月）」を発表いたします。

2025年6月に発表された資金調達の金額ランキング
※6月の資金調達額の合計をランキング形式で並べました。原則的に登記簿から取得した調達日を優先しており、次点でプレスリリースなどの公式発表も集計しています。

1位は医療プラットフォームサービスを展開するカケハシで、シリーズDラウンドにて140億円を調達しました。ゴールドマン・サックスをリード投資家とし、第三者割当増資、既存株主による株式譲渡、ベンチャーデットおよび融資からなる資金調達を実施しました。

同社は、クラウド型電子薬歴・服薬指導ツール「Musubi」をはじめとする薬局向けプロダクトを複数開発し、グループ全体で日本の薬局の20％超、全国14,000店舗超をカバーしています。

今後は、M&Aや新技術への投資を積極化し、組織基盤の強化やプロダクトの拡充による同社プラットフォームの拡大を加速させ、次世代ヘルスケアの推進を通じた日本の医療課題解決を目指す方針だそうです。

2位はノーコードAIプラットフォームの「FLUX AI」を提供するFLUXで、シリーズBエクステンションラウンドにて37億4,000万円を調達しました。（プレスリリースで発表されたシリーズB全体の調達金額88