資金調達データ
- 関連ワードSDGs, 企業, 取り組み, 意識調査, 減少
- 配信日2025年7月25日 16時29分
資金調達ニュースの概要
本プレスリリースにおいて、帝国データバンクが実施した調査結果が発表されており、企業のSDGs(持続可能な開発目標)への積極的な取り組み状況に関する重要なデータが示されています。2025年の調査では、SDGsに対して「積極的」と答えた企業の割合が初めての前年比低下となり、53.3%と記録されました。この内訳を見ると、意義や重要性を理解し、実際に行動している企業は30.2%に達し、過去最高となりましたが、取り組みへの意欲を持つ企業は23.1%に減少したため、全体として積極性が鈍る結果となりました。また、SDGsに取り組む企業の69.9%がその効果を実感し、「企業イメージの向上」や「従業員のモチベーション向上」が主な利点として挙げられました。これらの結果は、SDGsの導入が企業経営にどのような影響を与えているか、また、企業が資金調達やビジネスチャンスの獲得にどのように関連しているかを考える上で重要な示唆を提供しています。
資金調達ニュースの背景(推測)
各企業のSDGsに対する意欲の低下には、いくつかの外部及び内部要因が考えられます。まず、経済環境の厳しさが影響している可能性が高いです。調査に参加した企業の中には、「余裕がない」との声が多く聞かれ、資金面や人的リソースの制約がSDGsへの取り組みを妨げていることが明らかです。特に中小企業は、限られた資源をどのように効果的に配分するかが経営上の鍵となり、環境問題に対する投資を領域として捉えられない現実が依然として存在しています。
さらに、SDGsの取り組みがもたらす具体的なメリットや、どのように制度を活用すれば魅力的な資金調達が可能となるかに関する情報が不足していることも指摘されています。企業は政策の助成金や資金調達プログラムに対する理解が浅く、そのため、取り組みに対するハードルの高さを実感しています。これにより、企業がSDGsに取り組む意欲そのものが減少する傾向が見られます。
また、国際的な政治経済の状況や、アメリカを中心としたSDGsや環境問題に対する消極的な態度が、日本の企業のSDGsへの意欲を後退させている一因とも考えられます。SDGsが一過性のトレンドとされることへの懸念が広がる中で、企業は将来的に煙にまかれるのではないかという不安を感じている可能性があります。現在、経済的な不安に加え、企業の社会的責任(CSR)が一段と重視されている時代に、効率的なSDGsの推進方法を考査しなければならなりません。
資金調達ニュースから参考にすべきポイント(推察)
調査結果を基に、法人経営者や財務担当者は以下のポイントを参考にする必要があります。
まず第一に、SDGsに関する情報の提供を強化し、資金調達の手法を多様化することが急務です。参画する企業がSDGsの効果を実感できている一方で、具体的なメリットを明文化し、導入への支援策を整備する必要があります。特に、助成金や融資制度の利用法を周知し、取り組みのハードルを下げる情報発信が重要です。これにより、中小企業でも手軽にSDGsに対応できるようになるでしょう。
次に、企業の規模や業種に応じたカスタマイズプランを用意することが柱となります。大企業がリーダーシップを持ち、小規模の企業と連携して取り組むことで、協働のネットワークを形成することが見込まれます。中小企業にはリソースが限られているため、時間やコストが効率的に活用できるよう、実用的なモデルケースを示し、ノウハウを共有することが他企業の模範にもなります。
さらに、SDGsへの取り組みが財務的な効果にどのように結びつくのかを定量的に示す必要があります。企業イメージの向上や社員の働きがいの向上を通じて、長期的に見込まれる売上増加や新規取引の拡大を正確に把握し、経営戦略に反映させることが求められます。これにより、資金調達においても、SDGsの実践が信用力向上をもたらすことを示すことが可能です。
最後に、企業自体のSDGsの実績を積極的にPRし、外部に発信することの重要性を認識するべきです。社外向けの情報発信や広報活動を通じて、企業がどのようにSDGsをビジネスに活用しているかを示す事例を開示することで、外部からの信頼を獲得しやすく、結果として投資家や取引先からの関心を高めるきっかけとなり得ます。
以上のポイントを踏まえ、経営者や財務担当者は、SDGsの課題に対する取り組みを戦略的に検討し、資金調達活動に活用していくことが必要です。持続的な企業の成長を目指して、柔軟かつ効果的な施策を講じることで、次世代のビジネス環境を切り拓くことが期待されます。
「SDGsに積極的」は53.3% 初の前年比低下 「実践企業」は過去最高も「意欲あり」がダウン 「余裕のなさ」や「取り組みのハードル」が足かせにSDGsに関する企業の意識調査(2025年)株式会社帝国データバンク2025年7月25日 16時29分1photo by pixta.jp
株式会社帝国データバンクは、全国2万6,237社を対象に、SDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)に関する企業の見解についてアンケート調査を実施した。なお、SDGsに関する調査は2020年以降、毎年実施し、今回で6回目SUMMARY
『SDGsに積極的』な企業の割合は前年比1.2ポイント減の53.3%となり、初めて低下した。内訳は、「意味および重要性を理解し、取り組んでいる」が同0.5ポイント増の30.2%と過去最高となったが、「意味もしくは重要性を理解し、取り組みたいと思っている」が同1.7ポイント減の23.1%に低下したことで、積極的な企業の割合は低下する結果となった。SDGsの項目に取り組む企業の69.9%がその効果を実感、「企業イメージの向上」「従業員のモチベーションの向上」が上位に並んだ。調査期間:2025年6月17日~6月30日(インターネット調査)
調査対象:全国2万6,237社、有効回答企業数は1万435社(回答率39.8%)「SDGsに取り組んでいる」企業の割合は過去最高の30.2%も、「取り組みたいと思っている」企業は低下、積極性鈍る
自社におけるSDGsへの理解や取り組みについて尋ねたところ、「意味および重要性を理解し、取り組んでいる」企業は前年比0.5ポイント増の30.2%となり、2020年の調査開始以降で最高を更新した。「意味もしくは重要性を理解し、取り組みたいと思っている」は同1.7ポイント減の23.1%だ
出典 PR TIMES