健康と病いの語りディペックス・ジャパン、新しい贈与論の寄付先に決定

資金調達の概要

健康と病いの語りディペックス・ジャパンは、一般社団法人「新しい贈与論」から84.5万円の寄付を受けることが決定しました。この寄付は、同サークルの会員による推薦と投票によって選ばれた結果のものであり、寄付先としての非常に高い評価を受けました。ディペックス・ジャパンの活動は、500名以上の病気や障害の当事者とその家族の体験をインタビューし、それをデータとして記録しています。そのデータは社会科学における質的研究の手法を用いてデータベース化され、あらゆる人々、特に同じ病気や障害を持つ人々と家族、医療関係者に向けて公開されています。資金は、このデータベースの維持や拡充、さらには新たなインタビューの実施などに使われると考えられます。

資金調達の背景（推測）

日本社会では健康や福祉に関する関心が高まりつつあります。また、医療や福祉の分野には、多くの人々が当事者の経験や語りに耳を傾けることの重要性を認識するようになっています。その一方で、資金調達が必須であることも多くのNPOや非営利組織の重大な課題です。ディペックス・ジャパンの活動は、当事者の語りを重要な資源と捉え、それを社会全体で共有することを目的としています。このような背景から、寄付を受けることでその活動の持続可能性が向上し、より多くの人々に対するサービスを提供できる道が開かれるという認識があったと考えられます。

特に、「新しい贈与論」というギビングサークルは、メンバーが寄付先を選ぶプロセスを通じて共同体意識を高めており、その結果、寄付がディペックス・ジャパンのような具体的な目的に結びついていることも重要な要素です。このようなコミュニティが形成される背景には、個人の寄付に対する意識の変化や、新しい形の資金調達モデルの出現があると推測されます。

資金調達が成功した理由（推測）

ディペックス・ジャパンが寄付先として選ばれた理由には、いくつかの要素が考えられます。まず一つ目は、同法人が提供する『語り』の質とその特異性です。彼らの語りは、当事者の生の声を無加工で届けることを重視しており、このようなアプローチが寄付者に強く訴える要因となった可能性があります。また、推薦理由には「温度」と「細やかさ」が強調されており、これが感情的な共鳴を生んでいると考えられます。

二つ目は、寄付の選定過程に参加することで寄付者自身も意味を見出すことができる点です。推薦や投票を通じて会員が由来を持てる寄付先選びに寄与することで、コミュニティの一体感や達成感が生まれるため、ディペックス・ジャパンへの寄付が支持されたと推測されます。このような参加型の資金調達モデルは、寄付の継続性や増加にも寄与するでしょう。

さらに、女性の社会進出や医療・福祉に対する関心の高まりも影響している可能性があります。医療や福祉に関連した事業は、今後さまざまな形で社会に貢献できると認識されているため、ディペックス・ジャパンの活動も一環として注目を浴びたのでしょう。

資金調達の参考にすべきポイント

1つ目は、透明性と信頼性の確保です。寄付先を選定する際、寄付者が信頼できる情報を提供することが重要です。ディペックス・ジャパンは、豊富な実績と具体的な活動内容の透明性を保つことで、寄付者に対する信頼を築いています。特に、報告書や活動内容の公開、資金の使途に関する説明は非常に重要です。

2つ目は、参加型のプロセスを取り入れることです。寄付者が自らの意見を反映させることができるプロセスを持つことで、寄付者に対するエンゲージメントを向上させることができます。ギビングサークルの形式を取り入れることで、寄付者同士や寄付先とのつながりを強化し、共同体感を生み出すことが可能です。

3つ目は、感情に訴えるアプローチをとることです。人々は感情的なストーリーや実体験に強く影響を受けるため、体験に基づく物語を様々なメディアを通じて発信することが効果的です。ディペックス・ジャパンの「語り」のように、生の声を届けることで、寄付者の心に響きやすくなります。

4つ目は、ソーシャルメディアやデジタルメディアを活用することです。現在の社会では、情報がすぐに広がるため、SNSやウェブサイトを通じて活動を積極的に広めることが重要です。これにより、より多くの人々にリーチし、支援者を増やすことができます。

最後に、寄付を受けた後のフィードバックの実施も重要です。寄付者には感謝の気持ちを示し、その寄付がどのように役立っているかを定期的に報告することで、寄付者との関係を維持することができ、未来の寄付につながる可能性があります。このような点を踏まえることで、資金調達の成功に繋がると考えられます。

健康と病いの語りディペックス・ジャパン、新しい贈与論の寄付先に決定会員の方々の推薦と投票により寄付先として選ばれました認定NPO法人健康と病いの語りディペックス・ジャパン2025年8月22日 13時50分8一般社団法人「新しい贈与論」は、会員の方々が、寄付や贈与について学び、毎月変わるテーマに沿った推薦と投票によって寄付先を選ぶコミュニティ（ギビングサークル）です。ディペックス・ジャパンは、その活動に着目した会員の方々の推薦と投票によって選ばれ、84.5万円の寄付を受領いたしました。

ディペックス・ジャパンHP
ディペックス・ジャパンでは「語り」(ナラティブ)を社会資源と捉え、500名を超える病気や障害の当事者とその家族にインタビューを行い、それぞれの体験や思いを映像、音声、文字により記録、社会科学における質的研究の手法を用いて、各分野の専門家の知識と融合させてデータベース化したものを、同様の病気や障害を持つ人々と家族および医療関係者、病気や障害について知りたいすべての方々に向けてウェブサイトに公開しています。

新しい贈与論は、推薦の理由として、ディペックス・ジャパンの「語り」の特徴が、その温度と細やかさにあるとし、「温度とは、通常であればカットされがちな言い淀みなどを残し、語り手の語りを出来る限りそのまま伝えようとする姿勢」、「細やかさとは、一つの病気を、その単体として捉えるのではなく、診断、治療、症状との付き合い方、家族としての受け止め方など様々な切り口、視点からの語りに触れることが出来る点」が挙げられました。また、語りが「自らの経験を無償で差し出すことは、対価を求めない贈与であり、聞き手はやがて自らの物語として他者に語ることで、贈与の循環を生み出す取り組みでもある」として、語りの持つ無償性と循環性に言及しました。
語りをそのまま伝えようとする姿勢と障害や病