新しい資金調達手段の「企業価値担保権」、認知度は3割弱にとどまる 金融機関の適正な判断・目利き力がカギに

資金調達データ

  • 関連ワード企業価値担保権, 認知度, 調査結果, 資金調達, 金融機関
  • 配信日2024年10月25日 10時00分

資金調達ニュースの概要

新しい資金調達手段として「企業価値担保権」が注目されています。この制度は、不動産担保や経営者保証に依存しない形での融資の新たな選択肢であり、特にスタートアップや経営者保証が行き詰まっている企業にとって重要な支援となる可能性があります。企業価値担保権は、企業の将来キャッシュフローや無形資産をターゲットにした融資であり、特に資金繰りやリソースの効率的な利用を促進する役割があります。2024年6月には本制度を含む法律が施行される予定ですが、認知度は依然として低く、調査によれば認知度は30%に満たないことが分かりました。株式会社帝国データバンクによる調査により、この新しい資金調達手段についての企業の意見や状況が浮き彫りになっています。

資金調達ニュースの背景(推測)

企業価値担保権の導入は、従来の担保制度や保証制度が抱える問題点を克服することを目的としています。特に、現在の経済状況の中で多くの企業が抱える資金調達に関する課題に対し融資の手法を多様化することが必要とされています。また、スタートアップ企業や中小企業においては、有形資産が乏しい場合に従来の方式が障壁となることが多く、多様な融資手段が求められていました。この背景により、企業価値担保権の導入が進められ、企業の成長や活性化を図る試みが行われています。

調査結果からも分かるように、企業の多くはこの制度を「知らない」という状況であり、新しい融資の選択肢を持ちながらもその詳細を理解していないことが明らかになっています。認知度が低い原因としては、情報の欠如や、金融機関からの具体的な支援が行われていないことが挙げられます。企業は新しい制度に対して前向きな声をあげる一方で、実際に利用に至るには慎重な判断が求められているのかもしれません。

資金調達ニュースから参考にすべきポイント(推察)

企業価値担保権の活用に向けた意向がうかがえる一方で、実際にはまだ十分な理解が得られていません。企業経営者や財務担当者は、この新しい資金調達手段がもたらす可能性を理解し、適切な情報を収集することが重要です。以下に、特に参考にすべきポイントを挙げます。

まず第一に、企業価値担保権の内容や制度としての特徴の理解が不可欠です。具体的には、企業の事業性や無形資産を含めた評価がどのように行われるか、また金融機関がこれに基づいてどのような審査を行うのか、具体的な流れやその基準について知識を深める必要があります。この知識があれば、企業は金融機関との交渉においてより有利な立場に立てるかもしれません。

次に、活用意向がある企業のうち、理由として挙げられた「自社の事業性に着目した評価」という点に留意することが重要です。企業はその事業の強みや可能性をどのように金融機関に伝えるか、そしてこの制度を利用することでどういった成果を期待するかを明確にしておくことで、資金調達の成功を高めることができます。

また、企業価値担保権を活用したいと考える企業には、金融機関との関係構築が重要であるという意見もあります。融資を通じて伴走支援を受け形成関係構築に努めることは、経営者にとっては資金繰り専門家からのサポートを受けるチャンスとして捉えられそうです。そのため、金融機関とのコミュニケーションを強化し、相互に理解を深めることや、融資条件に関する相談を早めに行う姿勢が重要になります。

最後に、企業価値担保権が普及していくためには、制度そのものだけでなく、その周知が進むことが必須です。多くの企業は制度を知らないという現状があり、金融機関や関連機関がそれぞれの役割を果たすことで、制度が企業に広がっていく道筋が見えてくるでしょう。企業経営者や財務担当者は、信頼できる情報源からの情報収集に努め、法律や制度改正の動きを注視することが求められています。

結論として、この業界変化の中では、知識を深めること、金融機関との関係を築くこと、そして情報を適切に活用することが、企業にとって非常に重要な要素となるでしょう。特に企業価値担保権という新しい資金調達手段をうまく利用することができれば、従来の制約から解放され、成長機会が広がる可能性があります。今後の動向に注目し、変化に柔軟に対応するための準備を進めることが求められます。

新しい資金調達手段の「企業価値担保権」、認知度は3割弱にとどまる 金融機関の適正な判断・目利き力がカギに企業価値担保権に対する企業の意識調査株式会社帝国データバンク2024年10月25日 10時00分0photo by pixta.jp
不動産担保や経営者保証などによらない資金調達の新たな選択肢になり得る企業価値担保権。
事業者の将来キャッシュフローや無形資産を含む事業全体を担保として有形資産の乏しいスタートアップや、経営者保証により事業承継や思い切った事業展開を躊躇している事業者などの資金調達を円滑にすることで企業の活性化が期待される。加えて、金融機関によるタイムリーな経営改善、資金繰り支援の動きが加速しそうだ。

企業価値担保権の創設等を骨子とする「事業性融資の推進等に関する法律」は、2024年6月に公布され、成立から2年半以内に施行が予定されている。

そこで、帝国データバンクは、企業価値担保権に対する企業の見解を調査した。本調査は、TDB景気動向調査2024年9月調査とともに行った。

<調査結果(要旨)>

企業価値担保権の認知度、3割弱にとどまり、「知らない(言葉も知らない)」企業は56.5%

企業価値担保権を「活用したいと思う」企業は3.8%、「今後検討したい」企業は22.9%。他方、「活用したいと思わない」企業は26.7%

活用する理由、「自社の事業性に着目した評価に基づき融資を受けたいため」とする企業が66.2%でトップ

活用しない理由、「自己資本で必要な資産をまかなえているため」が40.8%で最高に

※  調査期間は2024年9月13日~30日、調査対象は全国2万7,093社で、有効回答企業数は1万1,188社(回答率41.3%)
※  本調査における詳細データは、帝国データバンクホームページ(https://www

プレスリリース本文の続きはこちら
出典 PR TIMES

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です