資金調達データ
- 関連ワード企業, 自己資金, 計画, 設備投資, 調査
- 配信日2025年5月28日 11時37分
資金調達ニュースの概要
2025年度における設備投資に関する意識調査の結果、企業の57.4%が設備投資の計画を持っていると報告されましたが、この割合は前年比1.3ポイント減、さらに2年連続で低下しています。設備投資を行う予定の企業の中では、主に「自己資金」を活用する企業が57.6%を占め、次いで金融機関からの借り入れが29.0%と続いています。一方、「設備投資を予定していない」企業は34.4%に達しており、その主な理由として「先行きが見通せない」という懸念が浮き彫りになりました。この調査では、特に中小企業において、資金繰りや将来の見通しに対する不安が強く感じられる結果となっています。
設備投資の具体的な内容では、「設備の代替」が60.8%で最も多く、次いで「既存設備の維持・補修」や「省力化・合理化」、さらには「DX(デジタルトランスフォーメーション)」や「情報化(IT化)関連」の投資も上昇傾向にあります。また、大企業においてはデジタル投資への関心が高まっていることも特徴的です。
調査結果からは、日々の業務を効率化するためのデジタルシステム導入や、人手不足に対応するための設備更新が進められているものの、価格上昇や金利上昇に対する懸念が企業の投資意欲を抑制していることがわかります。
資金調達ニュースの背景(推測)
今回の調査結果から読み取れる背景には、企業の設備投資に対する消極的な姿勢が影響している可能性があります。特に、中小企業からは「先行きが見通せない」という意見が多く聞かれており、経済環境の不透明感やコスト高の影響が大きいと考えられます。この背景には、原材料価格の高止まりや金利の上昇、そして「トランプ関税」といった国際的な経済状況による影響も挙げられます。
これらの要因が相まって、企業の投資計画は慎重にならざるを得ない状況にあり、特に資金繰りが厳しい中小企業では、新たなリスクを取ることに対するためらいが強く表れています。また、顕著に見えるのは大企業と中小企業の投資意欲の格差で、大企業はデジタル投資にも意欲を示していますが、中小企業は一般的に資金的余裕が乏しく、価格上昇が設備投資の障害となっているとの声があります。
さらに、政府による補助金や助成金の制度についても、改善が求められる声が多く、特に中小企業を中心に、補助金の対象範囲を拡大することで、投資意欲を高める必要性が指摘されています。全体として、企業の設備投資を促進するにあたり、より安定した経済環境の形成が求められていると推察されます。
資金調達ニュースから参考にすべきポイント(推察)
企業経営者や財務担当者にとって、今回の調査結果にはいくつか重要なポイントがあります。以下に、特に注目すべき点を挙げます。
まず、設備投資計画が減少していることから、資金調達の戦略を再評価する必要があります。「自己資金」が最も多く利用されているため、資金の効率的な運用や再投資の判断が、今後の企業成長において重要です。中小企業は特に資金調達の選択肢が限られているため、自社のキャッシュフローを見極めながら、必要な資本を確保するための資金計画を練る必要があります。
次に、デジタル投資に関するニーズが高まっていることから、テクノロジーへの投資は中小企業にとっても避けて通れない課題です。特に人手不足や業務の属人化を防ぐためには、効率化や自動化を推進するための技術導入が必要です。企業は、デジタルツールやシステムを導入することで、作業効率の改善やコスト削減を図ることができるでしょう。
また、コスト高や原材料価格の上昇に対する対策を講じることも重要です。特に中小企業は、設備に対する投資を踏まえながら、安定した供給網を確保し、価格変動に対応するための戦略を構築する必要があります。これは、価格戦略や仕入れ先の見直しなど、柔軟な対応をもってすることが求められます。
最後に、政府の補助金制度についての情報収集も欠かせません。中小企業では補助金の活用が重要であるため、助成金の情報を早期にキャッチし、適切に利用することで資金計画を支えることが可能です。また、企業は要望を声に出して政策提言することによって、支援策の改善を促す動きも重要です。
総じて、企業は不透明な経済環境の中でも、自社の成長戦略を明確にし、的確な資金調達計画を策定するための準備が必要であり、経営者や財務担当者の綿密な情報収集と柔軟な対応が求められています。
企業の57.4%が設備投資を計画、先行き不安で2年連続低下 「コスト高」や「トランプ関税」に対する懸念多く2025年度の設備投資に関する企業の意識調査株式会社帝国データバンク2025年5月28日 11時37分1photo by pixta.jp
株式会社帝国データバンクは、全国2万6,590社を対象に「設備投資」に関するアンケート調査を実施した。なお、設備投資に関する調査は2017年4月以降、毎年4月に実施、今回で9回目SUMMARY
2025年度に設備投資計画が『ある』企業の割合は前年比1.3ポイント減の57.4%となり、2年連続で低下した。予定している設備投資の内容は「設備の代替」が6割で最も多く、「既存設備の維持・補修」が3割台で続いた。主な資金調達方法は「自己資金」が5割超で最も高く、金融機関からの借り入れは3割だった。他方、設備投資を「予定していない」企業は前年比1.3ポイント増の34.4%に達し、その半数近くが「先行きが見通せない」ことを理由にしている。
調査期間:2025年4月16日~4月30日(インターネット調査)調査対象:全国2万6,590社、有効回答企業数は1万735社企業の57.4%で設備投資の計画が『ある』、1.3ptダウン 2年連続で前年を下回る
2025年度(2025年4月~2026年3月)に設備投資を実施する予定(計画)があるか尋ねたところ、設備投資計画が『ある』(「すでに実施した」「予定している」「実施を検討中」の合計)と回答した企業は前年(2024年度の設備投資計画、2024年4月に実施)から1.3ポイント減の57.4%となり、2年連続で低下した。他方、設備投資を「予定していない」企業は34.4%で、前年から1.3ポイント上昇した。
2025年度に設備投資の予定(計画)が『ある』企業では、設備投資予定額は平均で1億2,429万円
出典 PR TIMES