資金調達データ
- 関連ワードグローバル・コモンズ・センター, ネイチャーポジティブ, バランスシート, 東京大学, 自然資本
- 配信日2025年9月1日 13時00分
資金調達ニュースの概要
東京大学グローバル・コモンズ・センター(CGC)は、新たに「Nature on the Balance Sheet」というイニシアティブを立ち上げ、自然資本の価値を企業の財務諸表に組み込むための協賛事業を開始しました。このイニシアティブは、自然資本を評価し、その価値が経済の意思決定に反映されることを目指すもので、産業界との協力を通じて進められます。特に、自然資本を理解し、評価することが企業経営に及ぼす影響を重視し、国際ルールの策定に日本とアジアの視点を反映させることを目指しています。
CGCは、「Mountains Group」と呼ばれる海外の機関との連携を強化し、自然資本の価値を評価する標準的な手法を整備し、企業が自然資本に対して責任を持つためのプラットフォームを提供します。具体的には、王子ホールディングス、住友林業、味の素、MS&ADインシュアランスグループといった四つの企業が協賛企業として参加し、各社の持つ知見や技術を持ち寄り、自然資本の評価や持続可能な経営の実践を進めることを目指しています。これは、企業のイノベーションや競争力の強化にも寄与することが見込まれています。
資金調達ニュースの背景(推測)
自然資本の重要性が高まっている背景には、環境問題が企業活動に与える影響の増大があります。異常気象や自然災害、そしてそれに伴うリスクが企業の財務に直接的な影響を及ぼす事例が増えているため、企業はこれらのリスクを真剣に考慮する必要が出てきています。特に、自然資本という概念が生まれた背景には、これまで無視されてきた環境資源の価値を市場に認識させ、それを経済システムに組み込ませる必要性が強調されています。
加えて、国際的な市場での競争が激化している中、日本企業が自然資本を評価し、財務の意思決定過程に組み込むことが、持続可能な競争力を維持する鍵となります。他国との競争を考えると、早期にネイチャーポジティブ経済への転換を図ることが重要になります。東京大学CGCの取り組みは、こうした時流を受けて、日本の企業が国際ルールの策定に参画し、アジア全体を見据えた経済モデルを推進していくための基盤を醸成していると言えるでしょう。
また、自然資本の評価が進むことで、企業が持続可能な成長を目指すための新たなビジネスチャンスが生まれる可能性が高まります。健全な自然環境を維持することは、企業の長期的な利益に貢献するため、これは企業の戦略としても極めて重要な点です。このように、自然資本の価値を認識することは、業界全体が持続可能性に向けて進化するための鍵となります。
資金調達ニュースから参考にすべきポイント(推察)
本プレスリリースから法人経営者や財務担当者が得られる重要なポイントはいくつかあります。まず第一に、企業にとって自然資本の評価・認識は単なるコストではなく、長期的な利益創出の源泉であるという認識を持つことが重要です。企業が自然資本に注目し、その価値を正しく評価することが、今後の成長戦略に繋がる可能性があります。
第二に、業界全体が進むべき方向性として、「ネイチャーポジティブ経済」を意識した事業活動の重要性も挙げられます。このようなアプローチにより、企業は競争力を高め、自らのビジネスモデルを持続可能なものに変革していくことができます。特に自然資本の価値を適切に評価した財務報告を行うことで、投資家からの評価も高まり、資金調達の際にも有利になることが期待されます。
第三に、参加企業と連携しながら進められる新たなプロジェクトへの参画を通じて、実際に自然資本の評価方法を学ぶことができる点も重要です。他の企業の成功事例や対応策から学び、自社に落とし込むことで、透明性の高い財務報告が可能になります。
最後に、国際的なルールメイキングに対する積極的な関与が求められます。自然資本の評価がこれからの経済システムにますます組み込まれていくことを考えると、企業の立場からの意見や要望を反映させることが必要になります。これにより、企業は変化の最前線に立つことができ、自らのビジネスチャンスを拡大することが可能となります。
以上のように、「Nature on the Balance Sheet」イニシアティブは、企業にとっての新たな資金調達の手法やチャンスを生み出すとともに、持続可能な社会の実現に向けた将来の展望を開く重要なステップとなるでしょう。
東京大学CGC – Nature on the Balance Sheet協賛事業を始動国立大学法人東京大学 グローバル・コモンズ・センター2025年9月1日 13時00分5自然システムの崩壊が、異常気象、自然災害、サプライチェーンのリスク、食料安全保障を通じて、企業・経済・社会にとって大きな脅威となる中、 ”Carbon Neutral” に加えて”Nature Positive” が、国際的に重要なアジェンダとなりつつあります。現在、世界各地でNature Positiveを目指す取組が進んでいますが、その進捗は断片的でペースも遅く、企業や投資の意思決定に十分な影響を与えていないのが現状です。
しかし我々に残された時間は多くありません。自然システムは一度失われると回復不可能なものが多くあります。自然喪失の根本的な原因に深く切り込み、自然損失を止め逆転させるには、これまで「無限」で「無償」だと思われていた自然資本の本来の価値を市場が認識し、その価値がすべての経済取引の意思決定に組み込まれることが必要です。
自然資本の価値評価の困難やサステナビリティ・アジェンダへのバックラッシュにも関わらず、既に自然喪失がビジネスの根幹を揺るがすことを認識し始めた業態やその経済社会への壊滅的な影響を意識し始めた規制機関が声を上げ始めています。さらに自然に投資することのメリットを追求し、利益を上げる事業家や投資家も増えています。今求められていることは、こうした自然資本の価値の認識を、個別のプロジェクトや限られた市場に終わらせることなく、市場インフラの改革を通じて、主流のメカニズムにしていくことです。
東京大学グローバル・コモンズ・センター (CGC) は、志を同じくする海外の機関とMountains Group(後述)を結成し、“Nature on the Balance Sheet
出典 PR TIMES