法人設立1年目の経営実態調査を公開、直面する経営課題の1位は「売上拡大」

資金調達ニュースの概要

法人設立から1年目の経営実態調査が行われた結果、売上拡大が最も重要な経営課題に挙がった。この調査は、273社の設立1年目かつ従業員数10名以下の法人に対し、WEBアンケート方式で実施されたものである。調査の結果、設立1年目の法人の約3割が年間売上高1,000万円以上となっている一方で、営業利益は半数近くが100万円未満という現状が明らかになった。

また、業種別では小売業が最も高い年間平均売上高を記録し、不動産業が最も高い営業利益を出していることが確認された。税理士契約の有無については、設立1年目の企業の約3割が契約を行っており、その費用帯は10万円以上のケースが多いことが分かった。経営課題としては「資金調達」が売上拡大に続いて挙げられ、企業が直面するお金に関連する課題の重要性を浮き彫りにしている。

この調査の結果は、法人経営者や財務担当者にとって、直面する課題を把握し、適切な資金調達戦略を構築するための基盤となる。

資金調達ニュースの背景（推測）

この調査が実施された背景には、2020年以降に新型コロナウイルスの影響で経済環境が変化し、特に中小企業や小規模法人において大きな影響を受けている状態があると考えられる。特に、1年目の企業は資金調達の難しさと売上拡大の必要性から、External Financingを求める傾向が強まっているのではないだろうか。これにより、「資金調達」という課題が売上拡大に次ぎ、重要な位置を占める結果になったと推測される。

さらに、ITやクラウドサービスの進展に伴い、事業運営に関する知識や情報が容易にアクセスできるようになったことも、税理士契約を選択する企業の増加に寄与していると思われる。これは、経営者が専門的な相談を通じて自社の財務状況を見直し、改善に取り組む姿勢を持ち始めたことを示唆している。

また、売上高1,000万円以上の企業が意外に多かったことは、法人化が進む中で小規模ながらも成功を収める企業が増えていることを示していると考えられる。これにより、資金調達のニーズも多様化している可能性がある。すなわち、各企業が求める資金調達の形や方法が異なり、それに応じた支援策が必要とされる背景が存在すると見受けられる。

資金調達ニュースから参考にすべきポイント（推察）

この調査から法人経営者や財務担当者が参考にすべきポイントは幾つか存在する。

まず、経営課題のトップに「売上拡大」が位置していることから、売上を増加させるための具体的な戦略を策定する重要性が浮き彫りとなった。法人設立1年目の企業は、顧客基盤を拡大し、収益を上げるための施策を早急に講じる必要がある。これには、マーケティングや営業戦略の見直しや、製品・サービスの価値を高める取り組みが含まれるだろう。

次に、「資金調達」が次の課題として挙がっている点も重要である。多くの設立1年目の企業にとって、資金繰りや事業を拡大するための資金調達は不可欠であり、様々な資金調達の方法を検討する必要がある。例えば、銀行融資やエクイティファイナンス、クラウドファンディングなど、多種多様な選択肢を比較検討し、自社に最適な方法を見つけることが求められる。

さらに、業種ごとの売上と営業利益のばらつきが調査から浮き彫りとなったことも考慮すべき。業種によって異なる市場環境や成長段階に合わせた資金調達戦略が求められる。高い営業利益を上げている業種に関与する企業は、その成功要因を分析し、自社にどう適用できるかを模索する必要がある。

税理士との契約が設立初年度から約3割の企業に広がっている事実は、専門的支援の重要性を示唆している。このため、業務に関する専門家の助言を得ることは、特に資金調達や経営戦略において有益である。これにより、税務リスクを回避したり、効果的な事業計画を策定したりすることで、資金繰りの安定を図ることができる。

最後に、経営者が「売上拡大」と「資金調達」を重視することが、企業の成長に繋がるという認識を強化する必要がある。特に資金調達の手法を多様化させ、新しいビジネスモデルへの挑戦を行うことで、より強固な財務基盤を築くことが可能になるだろう。

これらのポイントを考慮し、法人経営者や財務担当者は資金調達に対する戦略を再評価し、事業の持続的な成長に向けた取り組みを進めるべきである。

法人設立1年目の経営実態調査を公開、直面する経営課題の1位は「売上拡大」freee2025年5月9日 13時00分3フリー株式会社（本社：東京都品川区、CEO：佐々木大輔、以下「freee」）では、設立1年目かつ従業員数10名以下の法人279社に経営状況に関するアンケート調査を実施しました。＜調査概要＞調査期間：2025年3月18日〜2025年3月25日調査方法：WEBアンケート方式調査対象：freee会計ユーザーのうち設立1年目かつ従業員数10名以下の法人有効回答：279社■年間売上高1,000万円以上が約3割、一方で営業利益は約半数が100万円未満
小数点は四捨五入で表記
法人設立1年目の年間売上高は「100万円未満」と「1,000万円以上」が29％という結果となり、設立1年目でも1,000万円を超える会社が意外にも多い結果となりました。一方で、営業利益については「100万円未満」が48％と半数近くを占める結果となりました。しかし、「1,000万円以上」の営業利益を出している企業も7%おり、高い利益を出す企業も一定存在することもわかりました。■業種ごとの年間平均売上は「小売業」がトップ、年間平均営業利益では「不動産業」がトップに

業種ごとの年間平均売上高は「小売業」が665万円、次いで「ソフトウェア・情報サービス業」が664万円、「不動産業」が660万円の順となりました。また、年間平均営業利益は「不動産業」が410万円、「コンサルティング業」が319万円、「ソフトウェア・情報サービス業」が305万円となり、業種によって年間営業利益は差が大きいことがわかりました。■設立初年度から約3割が税理士と契約

税理士契約の有無については、73％が「契約なし」、27％が「契約あり」となり、約3割が設立初年度から税理士と契約していることがわかりました。また、税理士契約をしている設立