裁判所の競売物件出品数、2009年以来15年ぶり増加

資金調達データ

  • 関連ワード不動産, 中小企業, 出品数, 増加, 競売
  • 配信日2025年1月9日 09時00分

資金調達ニュースの概要

裁判所の競売物件出品数が2024年において、2009年以来15年ぶりに増加したというプレスリリースが発表された。このデータは一般社団法人不動産競売流通協会によるもので、2024年には競売物件数が11,415件に達し、2023年の11,086件から329件の増加が見られる。特に注目すべきは、再出品を含むトータルの出品数が16,351件に達し、前年比で1,437件の増加を記録しているという点だ。このような増加傾向は、2009年にリーマンショックが発生した際以来のこととなり、特に中小企業や住宅ローンの返済が厳しい状況にある企業や個人にとっては一つの指標となる。

競売物件の種類を見てみると、戸建てが69%、マンションが20%、土地が11%と、戸建て物件が圧倒的な割合を占めている。競売物件の増加は、金融環境や経済状況に密接に関連しており、今後の資金調達や不動産投資において重要な視点となるだろう。

資金調達ニュースの背景(推測)

競売物件の出品数が増加している背景には、いくつかの要素が考えられる。まず、リーマンショック後の2009年以降、経済回復のための支援策が講じられ、中小企業金融円滑化法が施行されたことで競売物件数は大幅に減少した。しかし、2013年にこの法律が終了し、企業の経営悪化や、資金繰りの厳しさが顕在化した結果、競売物件の増加が予見されていた。当初の予測とは裏腹に、2014年以降も競売物件数は減少傾向にあったが、2024年になってようやく勢いを増してきたと考えられる。

これには、コロナ禍からの回復過程において、企業が再度資金調達の難しさに直面していることが一因と言える。特に景気回復が緩やかであり、中小企業は新しい資金調達の方法や経営の見直しが迫られ、さらなる倒産につながるケースが増加する可能性がある。これらの状況により、競売市場への影響が出てきていることを考慮すると、今後も不動産の競売出品数は増加するのではないかと推測される。

また、金利の上昇や融資条件の厳格化も影響を与えている。これにより、企業が必要な資金を調達できず、結果として競売にかけられる物件が増えるという悪循環が起こっている。物件の種類にも偏りがあり、主に住宅用の戸建て物件が多く出品されていることからも、生活の基盤となる住宅への影響が大きいことを物語っている。

資金調達ニュースから参考にすべきポイント(推察)

競売物件の出品増加は、法人経営者や財務担当者にとって重要な資金調達戦略の見直しを促すものである。以下の点が特に参考になる。

まず、資金調達の多様化が求められる。競売物件の増加は、金融機関からの融資やその他の資金調達手段に頼るだけでは対応しきれない状況を示唆している。具体的には、クラウドファンディングやエクイティファイナンスなど、これまであまり考慮されてこなかった資金調達方式を再評価する必要がある。

次に、財務リスクの管理が重要だ。競売物件の増加は企業の倒産や資金繰りに直接的な影響を与える可能性があり、自社の財務状況を見つめ直し、リスクヘッジの計画を策定することが求められる。特に状況が変化する中小企業は、資金繰り計画やストレステストを行い、無駄なコストを削減する努力が必要だ。

また、競売市場の動向を注視すべきだ。競売物件の種類や地域によっては、投資機会としての側面もある。特に不動産投資を考える法人にとっては、競売市場での物件獲得が新たなビジネスチャンスとなる可能性がある。出品物件の傾向を把握し、市場の変化に敏感になっておくことが重要だ。

最後に、法律や規制の変化についても注意が必要だ。競売に関する法制度や金融政策によって市場は大きく変動するため、最新の情報を常に収集し、柔軟に対応する体制を整えておくことが求められる。

以上のように、競売物件数の増加は資金調達や不動産投資に多くの示唆を提供するものとなっている。法人経営者や財務担当者は、この情報を基に経営戦略の見直しや資金調達の選択肢を再考する必要があるだろう。

裁判所の競売物件出品数、2009年以来15年ぶり増加FKR2025年1月9日 09時00分02008年から競売不動産のデータを収集・解析している一般社団法人不動産競売流通協会(所在地:東京都港区芝大門2-10-1、代表理事 青山 一広、以下当会)は、当会が運営する競売情報検索サイト「981.jp」の保有データを元に、2024年の競売不動産の出品データを公表いたします。
◇ 競売情報検索サイト https://981.jp/

■近年の競売市場の背景
リーマンショック後の2009年、競売不動産の出品数は60,000件を超えました。
その後、中小企業の資金調達や住宅ローン返済の救済を目的とする中小企業金融円滑化法(モラトリアム法)が施行されます。貸付条件の変更申込が増加し、2010年と2011年、競売物件数は大幅に減少しました。
中小企業金融円滑化法が2013年に終了したことで、企業の倒産や競売物件の増加を予想する声も多くありました。実際は2014年以降も金融機関の姿勢は大きく変わらず、競売不動産の出品数も毎年僅かずつ減少を続けました。

■2024年の競売不動産
競売物件数は11,415件で、2023年の11,086件から329件増加しました。
再出品を含むトータル出品数は16,351件で、前年比1,437件の増加となりました。
増加率は僅かですが、増加という事実が2009年以来15年ぶりの現象となります。
物件種別の内訳は戸建てが69%、マンションが20%、土地が11%となっています。
その他、都道府県の比較や入札数等のデータをホームページで公開しています。
参考)https://fkr.or.jp/stats/

【会社概要】
商号 : 一般社団法人 不動産競売流通協会
本店所在地: 〒105-0012 東京都港区芝大門2-10-1 第一大門ビル7階
設立 :

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出典 PR TIMES

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