2024年 東証プライム上場企業のニュース発信を調査。年間約12万件の7割が「企業活動ニュース」で、3月や秋口に集中するなど明確な季節性あり。

資金調達ニュースの概要

2024年に発信された東証プライム上場企業のニュースの中で、資金調達に関するニュースは年間1,759件という比較的少ない数を占めています。その数は全体の約29%に対して極めて少なく、経営情報ニュース全体のカテゴリの中でも最少の部類に入ります。この資金調達ニュースの記録は、1月に最も多く（187件）発信され、その後は徐々に減少し、最少の8月には114件まで落ち込むという傾向が見られます。これは、新年度が始まり、企業の事業計画が動き始めるタイミングに資金調達の発表が集中することを示唆しています。

この資金調達に関するニュースに含まれる内容としては、特定のファンドへの出資や、新たな事業の開始に伴う資金調達が主なケースであり、企業が今後の事業展開を見越して資金をどのように活用するのかを示す重要な指標となります。同時に、市場環境や業界の動向を踏まえた戦略的決断も反映されるため、他企業の資金調達の動きは、経営者や財務担当者にとっても非常に考慮すべき点です。

資金調達ニュースの背景（推測）

資金調達ニュースの発信が1月に集中する背景には、新年度の開始と関連した企業の動向が関係していると考えられます。多くの企業にとって新年度は新しい事業計画や戦略を策定・発表する時期であり、資金調達はそれらの計画を実行に移すために不可欠な要素となります。そのため、特に1月には、企業が新たな投資を行うための資金調達に関するニュースが発表されやすいと言えます。

また、経済環境や市場の動向も資金調達ニュースに影響を与える要因の一つです。例えば、景気が良好であれば企業は新たなプロジェクトや事業拡大に向けて積極的に資金を調達する傾向が見受けられます。一方、景気が不安定な場合には、企業は資金を確保するためにより慎重な判断が求められ、リスクを抑えた慎重な動きが見られることが考えられます。

さらに、特定の産業やセクターにおけるトレンドも資金調達の背景に影響を与えます。例えば、テクノロジー関連の企業や持続可能性を重視する企業が増加している中で、それに伴う資金調達が行われることが予想されます。このように、資金調達ニュースは単なる数字や発表だけでなく、様々な外部要因や内部要因によって左右されるものです。

資金調達ニュースから参考にすべきポイント（推察）

資金調達ニュースに対して法人経営者や財務担当者が参考にすべきポイントはいくつか考えられます。以下に具体的に挙げてみます。

まず第一に、資金調達のタイミングを重視すべきです。調査結果から明らかなように、資金調達ニュースは新年度の始まりに集中します。このことから、企業は新年度の計画を基に資金調達を行うことの重要性を理解する必要があります。資金調達は事業の継続や拡大に直結するため、今後の計画を見越した早めの資金確保を意識することが求められます。

次に、競合他社の事例から学ぶことも不可欠です。他企業がどのような資金調達を行っているのかを把握することで、自社の戦略にも活かすことができます。特に、成功した資金調達の手法や出資先ファンドの選定など、他社の取り組みを分析することで、より適切な資金調達の手法を見つける手助けになります。

さらに、市場動向にも注目する必要があります。資金調達が活発な時期や業界の変化を把握することで、リスクを軽減しつつ効率的に資金を集めるための計画を立てることができます。特に市場が好調なときには、資金を集めやすい動きが見られるため、時期を見計らって行動に移すことが肝要です。

最後に、資金調達における透明性や信頼性が求められることもあげられます。投資家からの信頼を得るためには、しっかりとした経営計画や透明性のある情報発信が欠かせません。この調査結果映し出されているように、SNSを活用して情報を発信する企業は、より積極的に資金調達を行っている傾向があります。自社もSNSを通じて情報を発信することで、透明性を高め、信頼関係を築くことが重要です。

以上のように、資金調達ニュースから得られる情報や教訓を基に、法人経営者や財務担当者は自社の資金調達戦略を見直し、より効果的な資金調達を目指すべきです。市場環境や他社の動向を常にウォッチし、自社の状況に応じた柔軟な対応を行うことで、資金調達において成功を収めることができるでしょう。

2024年 東証プライム上場企業のニュース発信を調査。年間約12万件の7割が「企業活動ニュース」で、3月や秋口に集中するなど明確な季節性あり。株式会社FUTUREWOODS（代表取締役：小浜勇人）は、営業支援サービス「FutureSearch」で2024年の東証プライム上場企業のニュース発信動向を調査しました。株式会社FUTUREWOODS2025年8月20日 16時40分9■ 調査目的
営業支援ツール「FutureSearch」では、企業サイトのリリース情報やプレスリリース配信サービスの情報を自動収集する、「リリースタイムズ」というサービスを提供しています。
本調査は、「リリースタイムズ」を活用することで、東証プライム上場企業がどのような情報を発信しているのかを定量的に把握することを目的として実施しました。
具体的には、東証プライム上場企業が2024年に公表したニュースを対象に、各企業の発信内容を「企業活動ニュース」と「経営情報ニュース」に分類し、カテゴリ別の特徴や季節性、またSNSアカウント保有の有無による発信傾向の違いを分析しています。
■ 調査概要

調査対象：2024年1月〜12月に発信された、東証プライム上場企業のニュース（対象企業数：1,254社を抽出）

調査方法：企業公式サイトやプレスリリース配信サービスで公表されたニュースを「リリースタイムズ」で収集し分類。

分類基準

企業活動ニュース：商品・サービス発表、イベント/CM、受賞/選定、協賛/協定、セミナー

経営情報ニュース：業績/計画、株式公開/株主異動/自己株式、人事、株主総会、資金提供

■ 調査結果
企業活動ニュースは年間84,515件(全体の約71%)、そのうち6割が「商品サービス」
東証プライム上場企業の企業活動ニュース数の時系列グラフ

商品サービス例(1) サントリー