資金調達データ
- 関連ワードFMT医薬品, シリーズB, メタジェンセラピューティクス, 腸内細菌, 資金調達
- 配信日2025年9月8日 14時00分
資金調達の概要
メタジェンセラピューティクス株式会社が実施したシリーズBラウンドのファーストおよびセカンドクローズにおいて、約23.2億円の資金を調達しました。この資金調達により、同社の累計調達額は42.6億円に達しました。投資家としては、既存の7社に加え、グローバルな視点を持つ新規の4社が参加しており、資金調達方法は第三者割当増資という形で行われました。この資金は、主に潰瘍性大腸炎を対象とした経口FMT医薬品の開発を加速するため、あるいは組織体制の強化と人材の拡充に使われることが課題とされています。
具体的な資金の使途としては、潰瘍性大腸炎治療薬の開発推進、腸内細菌ドナーからの便調達や治験薬製造に向けたサプライチェーンの強化、そして組織体制の強化と人材の拡充が挙げられています。
資金調達の背景(推測)
メタジェンセラピューティクスが資金調達を行った背景には、腸内微生物に関する医療技術や創薬が、現在注目されていることがあります。腸内細菌叢移植(FMT)が重症の腸疾患に対して効果的であるという研究結果が積み上げられており、これに基づく医療サービスが世界的に注目されています。また、同社は日本発のマイクロバイオーム医薬品の開発を進め、日本国内において腸内細菌医療の社会実装を目指しています。
さらに、2025年には潰瘍性大腸炎を対象にした治験が予定されており、その実施に必要な資金が求められる状況です。また、腸内細菌ドナーに対する募金活動や便提供のためのインフラ整備が進み、事業の進捗と共に資金需要も増加していると考えられます。
加えて、昨今の健康志向の高まりや、腸内環境が健康に与える影響が広く認知されるようになってきたことも、メタジェンセラピューティクスにとって好機となっていることでしょう。そのため、資金調達は新型コロナウイルスの影響からの回復過程における重要なステップと言えます。
資金調達が成功した理由(推測)
メタジェンセラピューティクスの資金調達が成功した理由にはいくつかの要因が考えられます。まず、腸内微生物を用いた医療技術は、国際的にも注目されており、将来的に大きな市場が見込まれます。特に、潰瘍性大腸炎やがんなどの重篤な疾患に対する治療法としての実績が積み重なっていることから、投資家にとって魅力的な成長性を持っていると評価されているのが一因でしょう。
また、具体的なプロジェクトが進行中であり、2026年からは日米での治験も予定されていることで、投資家にとっての収益化に向けた道筋が見える形になっている点も成功の要因です。さらに、メタジェンセラピューティクス自身が、創業から数年で従業員数を40名以上に増加させ、成長を遂げているという実績が信頼を獲得する要因となっています。投資家からの期待の声が集まっていることも、資金調達が円滑に進んだ秘訣でしょう。
加えて、既存の投資家の継続的なサポートや、グローバルな投資家の新規参加が資金調達を容易にしたとも考えられます。多様な業種や地域からの支援を受けていることで、企業のビジョンがより広く認められた結果と言えるでしょう。
資金調達の参考にすべきポイント
メタジェンセラピューティクスの資金調達は、以下の重要なポイントを参考にすることができます。
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明確なビジョンとミッション: 企業がどの方向性に進むのかを明確にすることで、投資家にとって魅力的な投資先となります。メタジェンセラピューティクスは「腸内細菌医療を届ける」という明確なパーパスを掲げ、その達成に向けた具体的な計画を示しました。
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実績の積み重ね: 資金調達の際には、これまでの実績や研究の進捗が重要です。メタジェンセラピューティクスのように、治験や研究の進行状況を示すことで、投資家の信頼を得ることが可能です。
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多様な投資家の選定: 既存の投資家を大切にしつつ、新たな投資家を迎え入れることで、資金調達の幅が広がります。同社は新たに4社の投資家を受け入れることで、多様なネットワークを築きました。
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サプライチェーンの強化: 特に医療関連事業では、製品の安定供給が求められます。腸内細菌ドナーの確保や製薬施設の設置に力を入れることで、投資家に安心感を与えることができました。
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強力な経営チーム: 経営陣の質や経験は、資金調達成功の重要な要因です。メタジェンセラピューティクスは、経験豊富なメンバーが集まり、企業の成長を支えています。
以上のポイントは、法人経営者や財務担当者が資金調達を行う際に非常に参考になります。明確なビジョンと実績に基づく信頼感、多様な投資家のネットワーク、そして強固な経営体制を持つことで、次回の資金調達に向けた成功の確率が高まるでしょう。
メタジェンセラピューティクス、シリーズBファースト・セカンドクローズで約23億円調達、累計調達額42億円以上にメタジェンセラピューティクス株式会社2025年9月8日 14時00分1腸内細菌研究に基づいた医療・創薬を推進するメタジェンセラピューティクス株式会社(本社:山形県鶴岡市、代表取締役社長CEO:中原拓)は、2025年7月から9月に実施されたシリーズBラウンドのファーストおよびセカンドクローズにおいて、既存投資家7社に加えてグローバル投資家を含む4社を新たに投資家に迎え、総額23.2億円の資金調達を実施したことをお知らせいたします。これにより、弊社の累計調達額は42.6億円となりました。
本資金調達により、現在開発を進めている潰瘍性大腸炎と対象とした「経口FMT医薬品」の開発を加速させるとともに、さらなる事業の推進のため、組織体制の強化および人材拡充に注力してまいります。
◆資金調達の背景
メタジェンセラピューティクスでは、「腸内細菌叢移植(FMT:Fecal Microbiota Transplantation)」の社会実装を通じて、日本や世界の患者さんに腸内細菌医療を届けることを目指しています。2025年4月に日本初となる、腸内細菌ドナーによる便提供のための「つるおか献便ルーム」を山形県鶴岡市に開設、同年5月には「FMT治験薬製造センター」を神奈川県川崎市に開設し、FMTのための日本発のマイクロバイオーム医薬品(FMT医薬品)の開発を進めています。
FMT医療技術の開発においても、潰瘍性大腸炎を対象としたFMTの臨床研究が先進医療Bとして実施され、データの解析が進んでいます。また、食道がん・胃がんを対象とした臨床研究や、パーキンソン病を対象とした臨床研究も順調に進んでいます。◆調達資金の使途
1. マイクロバイオーム創薬パイプラインの開発加速
出典 PR TIMES