三井住友信託銀行株式会社とのサステナビリティ・リンク・ローンの契約締結について

資金調達の概要

みずほリース株式会社は、三井住友信託銀行株式会社との間でサステナビリティ・リンク・ローンの契約を締結しました。この契約は、借り手が設定したサステナビリティ目標、特に「2025年度までに再生可能エネルギー発電設備容量1GW確保」というサステナビリティ・パフォーマンス・ターゲット（SPT）に基づいています。このローンは、SPTの達成状況に応じて金利などの借入条件が変動する仕組みとなっており、借り手には目標達成に向けた強いインセンティブが提供されることになっています。

契約締結日は2024年12月18日、実行日は2024年12月20日で、資金の使用目的は運転資金とされています。また、ローンの期間は3年間です。この資金調達は、みずほリースの「サステナブルファイナンス・フレームワーク」に則ったものとして位置づけられています。このフレームワークは、環境省のガイドラインや業界原則に準拠しており、正当性も第三者から確認されています。

資金調達の背景（推測）

近年、ESG（環境・社会・ガバナンス）への対応が企業経営において重要性を増しており、特に脱炭素社会の実現に向けた取り組みが求められています。この流れに乗る形で、みずほリースは自社のESG戦略を強化し、社会的責任を果たす姿勢を示す必要がありました。サステナビリティ・リンク・ローンは、特に環境への配慮が求められる企業にとって有効な資金調達手段であり、より多くの投資家やステークホルダーへの信頼を獲得するためには不可欠な要素です。

また、持続可能な経済成長を目指す国際的な潮流や規制も、サステナブルファイナンスの重要性を後押ししています。国連の持続可能な開発目標（SDGs）に即した事業活動が求められる中、みずほリースはこのような市場環境において適切な資金調達を行うことを目指したと考えられます。さらに、グリーンファイナンスの進展の中で、金融機関が融資を通じて環境へのインパクトを考慮する姿勢を示すことは、競争優位性を確保する手段ともなり得ます。

資金調達が成功した理由（推測）

まず、みずほリースが設定したサステナビリティ・パフォーマンス・ターゲット（SPT）が具体的であり、明確な進捗が図れるものであったことが成功要因の一つと考えられます。具体的な目標「2025年度までに再生可能エネルギー発電設備容量1GW確保」は、ステークホルダーが評価しやすく、透明性を持った取り組みを示しています。このような明確なビジョンに基づく目標設定は、金融機関からの支持を受けやすいポイントです。

次に、みずほリースが策定した「サステナブルファイナンス・フレームワーク」が、業界の標準や環境省のガイドラインに沿ったものである点も重要です。このフレームワークの合理性と適合性について第三者機関からセカンドオピニオンを受けているため、信頼性が高まり、資金調達の円滑化に寄与したと推測されます。

また、環境的な社会的な責任を重視する企業文化が内部に浸透していることも、資金調達の成功に寄与しています。社内でのESGへの理解と取り組みが進んでいるため、外部からの評価も高まり、結果として契約締結に至ったと考えることができます。

資金調達の参考にすべきポイント

この事例から法人経営者や財務担当者が参考にすべきポイントはいくつかあります。

まず、具体的なサステナビリティ目標の設定が重要です。コミットメントを示すためには、自社のビジョンと整合性のある具体的かつ測定可能な目標が不可欠です。これにより、投資家やステークホルダーに対して企業の真剣さを示すことができます。

次に、サステナブルファイナンスに関するフレームワークやガイドラインの策定が求められます。業界-standardや、政府機関のガイドラインに準拠したフレームワークを持つことで、資金調達の信頼性と透明性を高めることができ、よりスムーズに資金を調達できる可能性が増します。

さらに、第三者機関の評価を利用することも有効です。セカンドオピニオンの取得により、設定した目標の合理性やフレームワークの適合性を証明することができ、資金調達における信用を向上させる手段となります。

最後に、社内のESGへの意識が高まるような文化を育成することが、長期的には企業の持続可能性を支える基盤となります。全社的に持続可能性への取り組みを重要視することで、外部からの評価が高まり、資金調達の成功をより確かなものにします。

以上のポイントを踏まえることで、法人経営者や財務担当者は、サステナビリティ・リンク・ローンをはじめとした資金調達の可能性を広げ、自社の成長を促進することができるでしょう。

三井住友信託銀行株式会社とのサステナビリティ・リンク・ローンの契約締結についてみずほリース株式会社2024年12月18日 15時00分7みずほリース株式会社（代表取締役：中村 昭、以下「みずほリース」）は、三井住友信託銀行株式会社（取締役社長：大山 一也）との間で、シンジケーション方式のサステナビリティ・リンク・ローン（以下「本件」）の契約を締結いたしましたので、お知らせいたします。
 
本件は、借り手のESG戦略と連携したサステナビリティ目標（サステナビリティ・パフォーマンス・ターゲット：以下「SPT」）を設定し、金利などの借入条件をSPT達成状況に連動させることで、借り手に目標達成に向けたインセンティブを与え、環境・社会面において持続可能な経済活動および経済成長を促進し、支援することを目指すものです。

みずほリースは、「ニーズをつなぎ、未来を創る」という経営理念のもと事業活動を通じてステークホルダーと共有できる価値を創造し、持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。当社は、環境・社会課題への取り組みの重要性がますます高まる中、優先的に取り組むべき6つの重要課題（マテリアリティ）を特定し、その中のひとつである「脱炭素社会実現への貢献」に対する取り組みを推進すべく、2023年10月に「サステナブルファイナンス・フレームワーク」（※1、以下「本フレームワーク」）を策定しました。
本件は、本フレームワークに基づいた資金調達であり、SPTとして「2025年度までに再生可能エネルギー発電設備容量1GW確保」をSPTに採用しています。
 
なお、本フレームワークは、ローン・マーケット・アソシエーション等が定めたサステナビリティ・リンク・ローン原則、並びに環境省によるグリーンローンおよびサステナビリティ・リンク・ローンガイドライン（環境省ガイドライン）等