OIST発 量子スタートアップのQubitcore、国産イオントラップ量子コンピュータで社会実装へ向けてプレシード資金調達を実施

資金調達データ

  • 関連ワードOIST, Qubitcore, 分散型アーキテクチャ, 資金調達, 量子コンピュータ
  • 配信日2025年7月15日 10時00分

資金調達の概要

Qubitcore株式会社は、国産イオントラップ量子コンピュータの開発を目指し、沖縄科学技術大学院大学(OIST)との連携のもと、プレシードラウンドにおいて資金調達を行いました。このラウンドは、ライフタイムベンチャーズ合同会社がリード投資家として参加し、Qubitcoreは今後、OISTの高橋准教授が率いる研究成果を活用して誤り耐性型汎用量子コンピュータ(FTQC)のアーキテクチャ開発と商用化を推進していくことを目的としています。具体的な資金調達額は明示されていないものの、今後の研究開発や技術実証に向けた資金として、微小光学共振器を有するイオントラップの試作や分散型量子計算向けのフォトニックリンクの実証、量子誤り訂正技術の研究開発など、およそ5つの具体的な取り組みが計画されています。

資金調達の背景(推測)

今回の資金調達の背景には、量子コンピューティング分野における日本のリーダーシップを強化する狙いがあると考えられます。世界的に量子技術は注目を集めており、特にAIや新素材開発、エネルギー問題の解決に向け、従来の計算機の限界を超える可能性が期待されています。日本でも政府,大学,研究機関が連携し、量子技術の研究開発に取り組んでおり、その中でOISTは世界的な研究拠点として位置付けられています。このような背景から、OISTの研究成果を基盤にした商業化を目指すスタートアップとしてQubitcoreは、資金調達を進めることで、国家プロジェクトの一環としての役割を果たすことを目指しています。また、ライフタイムベンチャーズがフィナンシャルパートナーとして参加することで、ディープテック分野に特化したノウハウやネットワークを活かし、成功の可能性を高めています。

資金調達が成功した理由(推測)

Qubitcoreの資金調達が成功した理由として、複数の要因が挙げられます。まず第一に、量子コンピュータ技術に対する需要の高まりが挙げられます。世界的にデジタル革新が進む中で、高度な計算能力が求められており、量子コンピュータはその解決策と考えられています。特に、誤り耐性型の量子コンピュータは、大規模な計算を行う上でのエラー問題を克服するためのキーテクノロジーであり、その実現に向けた研究開発はますます重要度を増しています。

第二に、OISTという世界有数の研究機関との連携が大きな信頼を生んでいます。高橋准教授のもとでの高品質な研究成果は、投資家にとって安定感を提供し、技術の商業化可能性を高めました。さらには、ライフタイムベンチャーズがリード投資家として参加することで、資金調達の際の信頼性や専門性を確保しています。

最後に、明確なロードマップとターゲットがある点も成功の一因です。Qubitcoreは、2030年までに商用化を見据えており、具体的な成果物やマイルストーンを設けることで、投資家に対して確実な進捗を示す姿勢を見せています。このような明確なビジョンがアピールポイントとなり、資金調達の成功に寄与したと考えます。

資金調達の参考にすべきポイント

Qubitcoreの資金調達から得られる重要なポイントは、資金調達プロセスを成功させるための戦略として、いくつか挙げられます。

  1. 研究機関との連携: 信頼性の高い研究機関や大学との連携は、技術評価や成果の社会実装において非常に有効です。スタートアップが抱える技術的課題に対して、外部の知見や専門性を取り入れることで、事業の成長を加速させることができます。

  2. 明確なビジョンとロードマップ: 投資家に対して自社の未来を具体的に描くことで、信頼を築くことが重要です。Qubitcoreはロードマップを明示し、短期・中期・長期の目標を設定しており、この透明性が投資家の安心感を生んでいます。

  3. 特異な技術の確立: 市場での競争優位性を持つ独自の技術やサービスを構築することが、資金調達を成功させる鍵です。Qubitcoreはイオントラップ技術に基づく独自の分散型量子計算アーキテクチャを掲げることで、市場における少数派の技術の確立に成功しています。

  4. 専門的な支援ネットワーク: ディープテックなど特定の分野に特化した投資家とのネットワークを活用することで、より関連性の高い支援やアドバイスを受けることが可能です。この点でライフタイムベンチャーズの役割は非常に重要でした。

  5. 持続可能な発展の視点: 環境問題や社会課題の解決に焦点を当てた技術開発や事業戦略が、投資家からの支持を得るための重要な要素となります。量子コンピュータ技術はエネルギー効率や新素材開発に寄与するため、持続可能性や社会的価値を意識したアプローチが資金を呼び込みやすくなります。

これらを踏まえることで、今後の資金調達や事業展開において、Qubitcoreに限らず他のスタートアップも新たな展開の可能性を広げることができるでしょう。量子技術が持つ未来のビジョンは、間違いなく社会全体に深い影響を与えるものになると考えられます。

OIST発 量子スタートアップのQubitcore、国産イオントラップ量子コンピュータで社会実装へ向けてプレシード資金調達を実施~画期的な分散型アーキテクチャで「誤り耐性型量子コンピュータ」実現へ加速~Qubitcore株式会社2025年7月15日 10時00分1【共同プレスリリース】
Qubitcore株式会社
沖縄科学技術大学院大学
ライフタイムベンチャーズ合同会社
イオントラップ
人類が直面する複雑な課題を解決する、これまでにない高性能なコンピュータ「量子コンピュータ」。この分野で、日本から世界をリードする新たな挑戦が始まります。Qubitcore株式会社(キュービットコア、本社:神奈川県横浜市、代表取締役CEO 綿貫竜太、以下「Qubitcore」)は、量子コンピュータの基盤技術であるイオントラップ技術と光共振器 [1]を組み合わせることで、分散型量子計算システムの実現を目指すスタートアップです。この度、沖縄科学技術大学院大学(沖縄県国頭郡恩納村、以下「OIST」)との独占的ライセンス契約を締結し、「OIST発スタートアップ」の仲間入りを果たしました。
これに伴い、OIST Lifetime Ventures Fund (無限責任組合員:ライフタイムベンチャーズ合同会社)をリード投資家とするプレシードラウンドの資金調達を完了。Qubitcoreは今後、OISTの高橋優樹准教授が率いる研究成果を基盤に、誤り耐性型汎用量子コンピュータ(FTQC [1])の実現に不可欠な次世代アーキテクチャの開発と商用化を強力に推進し、量子時代における経済、産業、安全保障の飛躍的発展を力強く支えてまいります。

[1] 光共振器: 光を反射構造で閉じ込めることで、イオンと光の信号のやり取り(相互作用)を効率的に行えるようにする量子デバイスの中核技術
[2] FTQC: Fault-Tol

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出典 PR TIMES

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