資金調達データ
- 関連ワードM&A, スタートアップ, レポート, 投資動向, 資金調達
- 配信日2025年2月13日 08時30分
資金調達の概要
2024年における国内スタートアップの資金調達金額は1兆891億円となり、前年比10.6%増で2年ぶりに1兆円を超えました。この金額は、新株を発行するエクイティファイナンス、融資や社債などのデットファイナンス、さらには補助金やクラウドファンディングを含む多様な調達手段から得られたものです。資金調達を実施したスタートアップは速報値で2,272社であり、前年比で11.7%の減少が示されていますが、確定値では2,691社に達します。このことは、調達環境自体が安定していることを示唆しています。
過去数年間の資金調達環境は、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げの影響を受けたこともあり、調整局面に入っていました。しかし、2024年には日銀の政策転換などが影響し、資金調達環境の安定化が見られています。また、スタートアップにおけるEXITの選択肢も広がり、特にM&A市場が活況を呈しています。
資金調達の背景(推測)
資金調達の背景には、いくつかの要因が考えられます。その一つは、米国の金利環境の変化です。2024年9月にはFRBが利下げに転じ、その影響が国内の投資マインドに好影響を与えた可能性があります。マイナス金利政策解除という日銀の政策変更も、国内スタートアップにとっての資金供給の安定化に寄与したと考えられます。
加えて、スタートアップの成長性に対する期待感が高まり、投資家が過去数年間では考えられなかった新たな投資先を模索していることも要因の一つです。特に、COVID-19の影響を受けてデジタル化が進む中、テクノロジー系スタートアップやライフサイエンス分野における成長が顕著になり、これらの分野への資金流入が増加しています。
また、M&A市場の活況も資金調達に影響を与えています。大企業は、オープンイノベーションの一環としてスタートアップを買収するケースが増え、これによりスタートアップ企業の資本調達が容易になっていると考えられます。
資金調達が成功した理由(推測)
2024年におけるスタートアップの資金調達が成功した理由には、いくつかの要因が存在します。まず、投資家のリスク許容度が回復したことが挙げられます。特に、利上げ局面にありながらも、スタートアップの成長ポテンシャルを見込んだ投資が活発化しているためです。投資家は、テクノロジー、ヘルステック、フィンテックなどの成長セクターに対して特に関心を示しています。
次に、スタートアップ自身のプレゼンテーション能力や事業モデルの明確さが資金調達の成功を後押ししています。多くのスタートアップが、データに基づいたビジネスモデルを構築し、具体的な成長戦略を提示することで、投資家の信頼を得ています。このような背景から、投資活動が活発化していると考えられます。
また、M&A市場の活性化も資金調達が成功した理由の一部です。スタートアップの買収件数が増加していることは、投資家にとってもEXITの選択肢が広がることを意味します。これにより、投資のリスクを軽減できるという意義があります。
資金調達の参考にすべきポイント
法人経営者や財務担当者がスタートアップの資金調達環境を踏まえて自社の戦略を考える際、以下のポイントが参考になります。
まず、投資家の関心を引くための明確な事業計画を策定することが重要です。スタートアップが投資を受けるためには、成長可能性やビジネスモデルの持続可能性を示す必要があります。市場調査や競合分析を行い、自社の強みをアピールすることが効果的です。
次に、資金調達手段の多様化を図ることも大切です。エクイティファイナンスやデットファイナンスのほかに、クラウドファンディングや補助金など、さまざまな選択肢があります。特に、政府の支援プログラムやスタートアップ支援制度を活用することで、資金調達の効率を高めることができます。
また、M&Aを視野に入れることも一つの戦略です。大企業との提携や買収を通じて資金を獲得することが可能になるため、業界内でのネットワークの構築が重要になります。アライアンスを持つことで、より多くの資金を引き寄せることができる可能性が高まります。
最後に、グローバルな視点を持つことも欠かせません。海外市場への展開や国際的な投資家との関係構築を視野に入れることで、資金調達の可能性を広げ、新たな成長を図ることができます。特に、アメリカやヨーロッパの市場は資金調達の観点からも注目されるため、積極的にアプローチすることが求められます。
STARTUP DB独自調査による「【2024年 年間】国内スタートアップ投資動向レポート」を公開2024年の国内スタートアップの資金調達金額は1兆891億円、M&Aの活況に注目が集まるフォースタートアップス2025年2月13日 08時30分0
成長産業支援事業を推進するフォースタートアップス株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:志水雄一郎 以下、フォースタートアップス)は、国内最大級の成長産業領域に特化した情報プラットフォーム「STARTUP DB (スタートアップデータベース)」において「【2024年 年間】国内スタートアップ投資動向レポート」を公開いたしました。本レポートは「STARTUP DB」が独自に収集したデータを基に、スタートアップ、投資家、IPO、M&Aなどの多様な切り口から、2024年年間の国内スタートアップの投資動向を分析したものです。今回のレポートは、調達形態やセクターなど複数の切り口から 国内スタートアップを取り巻く資金調達環境を分析。 IPOやM&Aに伴うEXITやファンド、大学発スタートアップの概況を複数のデータからご紹介しています。 また、一部アメリカのデータも追加しました。
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https://lp.startup-db.com/report/investment-report-2024
目次
1. はじめに
2. 資金調達金額・社数の概況
3. 資金調達金額の分布・平均値・中央値の推移
4. エクイティ及びその他の資金調達概況
5. シリーズ別の資金調達概況
6. 資金調達金額ランキング
7. 評価額ランキング
8. 投資家概況
9. セクター別 資金調達金額・社数の概況
10. EXIT 概況
11. 買収概況
12. ファンド概況
13. 大学発概況
14. 終わり
出典 PR TIMES